和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1155話 】
2016年 10月 16日 談

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大安禅寺では「大人の書道展」が開催されていますが、今回で四度目になるそうで大いに書を通して自己研鑽に精進頂きたいと思います。和尚も書家の端くれですが、このところは法務の忙しさで落ち着いて筆を持つ時間も無い日々です。書道は実に不思議なもので、一種、職人芸のようなものが有り、いくつになっても「これで良し」という感覚も無く、一期一会の如く「その場っきり」の境涯が映し出されていきます。言い換えれば「書」は人生その時々の心模様なのかも知れませんね。好い時も有り悪い時も有り、悲喜こもごもです。それ故に書道は奥が深いものであると承知しています。江戸時代の有名な禅僧・白隠慧鶴禅師は、大安禅寺開山・大愚宗築禅師の墨蹟を見て大いに悟ったと言いますから、まさに「書は体を現わす」とはよく言ったものです。一般的には書の良し悪しを論じますが、禅僧の書はあくまでもその人の悟り「悟りの境涯」を現わすものとして揮毫されるため、呼び名も「墨蹟(ぼくせき」と言いますから油断は禁物です。

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寳勝寺霊苑から西方寺様の御堂上空を臨む

さて、今日は「寺カフェ」も賑わったようでした。爽やかなお天気のもと、ゆっくり寛いでいる観光客の姿は和尚にとって菩薩様ですね。人間、やはり笑顔が一番ですよ。「和顔愛語(わげんあいご)」の人生です! 友峰和尚より

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