和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1013話 】
2016年 05月 27日 談

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和尚の修行時代に外作務(そとざむ)といって庭作りの為の石組みや植栽をする時、その作業の殆んどが人力で機械類などは使いません。ある時、和尚の友人でもありアメリカから修行に来ていた青年から「石を運ぶのになぜ機械を使わないのか?」との質問を受けたわけですが、実にアメリカ的合理主義に満ちた質問だったとその時思ったものでした。禅の修行はあくまで心の鍛錬を目的として、全くアナログの世界の中に自然体の精神を培っていくものですから、敢えて体力作りと和合の精神の形成が求められて行きます。振り返れば、修行仲間達と知恵を出し合いながら物を創造する過程を重視する日々であったと今強く思います。

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本日の生き生き法話

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和尚が今、園内整備に尽力するのも同じことで、「己事究明(こじきゅうめい)」以外の何物でも有りません。多くのお金と優れた機械をもってすればなんでも出来てしまう現代社会の中に有って、「禅の修行」はあくまで非合理性の高い日常生活を通して自己の本分と出会う事にその意義を見出そうとしています。「一日作さざれば一日食らわず」との百丈慧海禅師の言葉そのままに、「健康体」である自分自身への喜びと、その感謝としての実践が「作務(さむ)」の本意義で有ろうと今日も和尚の拈堤(ねんてい)が続いています。今やらねばいつ出来る、俺がやらねば誰がやる!! 友峰和尚より

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