和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第1822話 】
2018年 08月 14日 談

夕方、雷鳴轟く空 / 寳勝寺境内にて

 

今度はゲリラ雷雨ですか?色々な言い方が有るものですね。昔は夕立(ゆうだち)と言っていましたが、今日ではまるでスコールのような降り方ゆえ「ゲリラ雷雨」と言うのでしょうか?

 

 

このスコールですが、以前バンコクを旅行した折、タクシーで移動中に突然ものすごい降雨となり一瞬のうちに車の周囲が湖(みずうみ)と化した時の事を思い出します。南方の島国では日常茶飯事の出来事ですが、日本となると話は別です。とにかく、これまでに経験した事も無いような突然のどしゃ降りですから、驚くのも無理からぬことです。

 

わずか5分ほど の 大雨

 

また雷も、これまでのようなパターンと違ってそれこそ「半端ない!」稲光と雷轟に襲われ、時には人の命を奪うほどです。今年初めの豪雪災害に始まり、豪雨、雷雨、地震災害と次々に天地異変が人々を苦しめています。「備えあれば患いなし」と言えども、備えようの無い不意の災害には手の打ちようもないのが現状です。ただ言える事は、日頃から村々を始めとして近隣の人との繋がりをしっかり保つことが一番大切な事のように思います。災害時に於いては、もはや一人の力では復興不可能な状況が続いているようです。

 

雨上がり 寳勝寺玄関前の碗蓮鉢

 

さて明日は大安禅寺にて盂蘭盆会大施餓鬼法要が午前10時より厳修されますが、祖霊供養も絆を結ぶ重要な仏事です。どうか万障お繰り合わせのうえ、ご家族皆様で是非御参詣下さるようお待ち申し上げております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1821話 】
2018年 08月 13日 談

いよいよ咲き始めました 日中友好の朝顔

お盆の帰省ラッシュが続いていますが、新幹線の切符が取れないとの事で止む無く自家用車で帰省を試みたものの大渋滞に巻き込まれてしまい疲労困憊だったとか。やはり電車の切符などは早めに修得するに限ります。北陸新幹線は全席指定なので尚更の事ですね。

 

 

さて、明後日の卑山盂蘭盆会大施餓鬼法要を控えている中、本日は寳勝寺での法務修業となりました。金沢兼務寺院での盂蘭盆会の行事は全て終了していますがやはり八月旧盆の墓参も多く、ふれあいパーク霊苑にも多くの方がお参りに来られていました。また午前中に時折強く降った雨も午後にはすっかり上がり、墳墓開眼並びに納骨供養諷経が相次いで修業されました。

 

本日午後 墳墓開眼供養諷経のようす

 

 

雨上がり の 中庭にて

寳勝寺カフェは昨日に引き続き観光客や家族連れのお客様で賑わいを見せていましたが、蒸し暑い屋外とは違って空調設備の整った寺内は涼しく、外国人旅行者は実に長時間カフェを楽しまれていました。

 

お盆の休日ひとつとっても過ごし方はそれぞれ違いますが、共通点と言えば家族揃って行動する事でしょうか。「里帰り」という言葉がいつ頃から始まったかは定かでありませんが、大切なのは祖先の御霊との交流です。いま自分の有る事の難しさまた有り難さを感得して感謝の真を捧げましょう。家族団欒の姿を先祖の御霊はそっと見守ってくれている事と思います。里帰りするのは祖先の御霊も同じことです。どうか盂蘭盆会大施餓鬼法要のご供養を通して皆が仲良く無事である事を祖先の霊に報じて頂きたいと思います。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1820話 】
2018年 08月 12日 談

宮崎寒雉様より寄贈頂いた 銀杏頭飾火箸

先般、野町・少林寺檀家総代の宮崎寒雉(かんち)様より「真台子飾り用火箸」を大安禅寺にと御寄贈頂き、本日飾ってみました。宮崎総代様は金沢御釜師14代目を継承する釜師で、少林寺の梵鐘は今から約400年前、初代・宮崎寒雉氏が鋳造され寄贈を受けた名鐘です。いま何が故に火箸<ひばし>なのかと申せば、卑山に創建当初から伝わる真台子飾りは大安禅寺開山和尚・大愚宗築禅師が寺に寄贈したもので、当時の中国で鋳造された銘品です。

 

寺宝 大安禅寺開山・大愚宗築禅師寄贈の「真台子飾り(しんだいすかざり)」

 

「御釜師十四代 宮崎寒雉」

 

火箸を除くすべての道具は揃っていましたが、残念なことに火箸のみ紛失していたところ、先般の月参りで宮崎総代様にお伺いした折、その事をお話しし今回快く火箸を寄贈して下さいました。これで全ての真台子飾り道具が揃い、本当に嬉しく思いました。宮崎様には、本当に有り難く感謝申し上げます。寺宝として大切に使っていきたいと思います。

 

さて、本日も昨日に引き続き地元お檀家様の棚経に出掛けました。どの御家庭も丁寧にお迎えして頂き、有り難うございました。本日は若い女性の総代様をお共にしてお参りしましたが、色々と気配りをして頂きこちらも有り難うございました。

 

 

愈々明日から盂蘭盆会大施餓鬼法要の本格的な準備に入りたいと思います。総代様にはお供をして頂き、心から感謝と御慰労を申し上げます。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1819話 】
2018年 08月 11日 談

地元田ノ谷町のお檀家様家々にて お盆の棚経です

お盆の里帰りラッシュを迎え道路の交通量もぐんと増えましたが、皆様に於かれましては賑やかな家族団欒のお盆をお迎えのことと思います。本日は午前7時より地元お檀家様のお盆棚経(たなぎょう)に総代様を伴って出発! 毎年恒例の行事ながら、祖霊御供養と同時にご家族皆様との交流も大切で、特にお盆は初めてお会いする親戚縁者の方も多く時間をかけながらのお参りとなりました。

どの御家庭も世代交代が進んでいますが、昔ながらの祖霊供養の棚経仏事も先代からしっかり受け継がれていくことに安心を覚えるものです。お仏壇に小さな手を合わせ合掌する孫達の姿ほど可愛く微笑ましい姿は有りませんね。この棚経(たなぎょう)ですが、昔は仏壇とは別にわざわざ縁側に精霊棚(施餓鬼棚)を設け、天国から降りて来る御先祖の霊を待ち受けたところから「棚」の「経」と名付けたそうです。棚には蓆(むしろ)を敷き、霊供膳をはじめ旬の野菜やお米、果物やお菓子などを盛りだくさんにお供えして祖先の霊をお迎えしました。また胡瓜で作った馬と茄で作った牛を祖霊の乗り物としてお供えしたそうです。実に祖先への深い崇敬の念が伝わってきます。

ご家族との 懇親のひととき

本日も沢山の御供物がなされたお仏壇での読経となりました。最近では関西や関東地方に子供達が多く嫁いでいるため、お盆のお参りはいっそう賑やかなものとなっています。総代様を伴っての棚経、どの御家でも読経後の楽しい団欒の会話が弾んだ一日となりました。明日も引き続き新命副住職と棚経三昧の行が続きます。友峰和尚より

夕刻 蝉しぐれの中 境内のお掃除

友峰和尚のちょっといい話 【 第1818話 】
2018年 08月 10日 談

8月15日の盂蘭盆会施餓鬼会法要も間近に迫り、また明日からは地元お檀家様の盂蘭盆棚経(うらぼんたなぎょう)に出掛けるため、今日は午後から境内の外掃除に出ました。先日徹底して整備をしておいたおかげで短時間で終了することが出来たものです。掃除の徹底は全ての仕事にも通じ、日々怠りなく整理整頓をしているのと同じく、次なる仕事が実にスムーズに運ぶものです。何が故にそうなるのかと言えば、常に「心を空っぽ」にすることが掃除の極意だからです。「要らざることを思わぬ」訓練のようなもので、一心不乱に掃除を徹底していくうちに「忘我」の心境を会得できるからです。本当に不思議な話で、「たかが掃除、されど掃除」なのですね。

普通に「掃除」と言えば清掃ぐらいに思いがちですが、「掃除」とは「除き掃う」わけですから、「色々な拘(こだわり)りを捨てきる」と言った方が良いかも知れません。「何をくよくよ北山時雨 思い無ければ晴れて行く」という世語が有るように、「思い無ければ晴れて行く」心境ですね。しかしながら「掃除」ほど難しい修行も有りません。広大な境内の何処から掃除を始めるか!またどのような器具を使うのがベストなのか!どれくらいの時間で完了できるか!等々、まったくに一般の仕事の出来具合と同じことです。どのような作業も仕上がりの是非が問われますが、掃除も同じく隅から隅まで輪郭が冴え渡る程の徹底したものでなければ合格とは言えません。

さてさて、掃除の徹底もさることながら、一番大切なのは「心の掃除」が徹底出来たかです。兎にも角にも皆さん!掃除です!「何にも思わぬが仏の稽古なり」で、お盆までに徹底してお仏壇のお掃除をお願い申し上げます。清々しい気持ちで御先祖の御霊をお迎えしたいものです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1817話 】
2018年 08月 09日 談

「第2回 修理委員会」に先立ち 愈好亭での御挨拶

昨晩から降り続いた雨のおかげで気温は下がったものの、今度は湿度が上がり蒸し暑さを感じる一日となりました。来年度より卑山「重要文化財保存修理事業」が開始される予定になっていますが、本日は文化庁・田中禎彦文化財調査官の現地指導を踏まえ、午後より「第2回 修理委員会」が開催されました。

修理委員の吉岡様 並びに 責任役員総代様と

卑山からは、責任役員総代3名並びに吉岡氏・片岡氏両修理委員が出席され、当局からは文化庁・田中禎彦文化財調査官を始め福井県生涯学習課担当職員と福井市文化課担当職員、そして文化財建造物保存技術協会(文建協)の担当職員皆様が出席されての会合となりました。

 

修理委員の片岡様と

台風13号の影響からか、時折強い雨が降る中での会議でしたが、午後3時には無事に終了し散会となりました。この15日(水)に盂蘭盆会大施餓鬼法要が営まれますが、法要終了後の檀信徒総会では、現在の進捗状況や今後の工事計画などが当局より説明される予定になっています。

 

文化庁 文化財調査官並びに県・市担当者の視察のようす

客寮にて

本堂にて

開基堂 松平光通公像御廟の御前にて

開山堂 大愚宗築禅師御像のご真前にて

なにしろこの先、約12年間に渡る文化庁指導の大修復工事だけに、綿密な打ち合わせが何度も何度も行われ、会合を重ねるごとに工事の全体像が明らかになって行くようです。不思議なことに、来年度より元号が替わりますから、「何とかの大修復工事」という見出しも元号が替わる初年度から出発ということになります。

松雲の間にて 修理委員会 会議のようす

さて、堅苦しい話になってしまいましたね。和尚にとっては本当にいい話、とっても有り難い話ですから、ついつい書き留めました。「ちょっといい話」も人それぞれに受け取り方が違いますから、どうかお許しください。雨が降って涼しくなったとたんに、夏蝉が元気よく鳴き始めました。こちらはとてもいい話だと思います。ただし「ジィジィ」って鳴かれると辛くなってしまいます。「つくづく元気がほしい~!つくづく元気がほしい~!」っても鳴いてますよ。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1816話 】
2018年 08月 08日 談

 

台風13号の影響からか、午後から雨になり気温も27℃と過ごし易くなりました。かなり大型の台風らしく関東地方が大荒れの天気になるとかで大変心配されます。このところの気候変動による災害は、全世界的に拡大を続けています。今年に入ってから日本も立て続けに大きな災害被害を受けており不安が募る一方で、明日は我が身に襲って来るかも知れない災害故に、日々の気象情報には神経をとがらせています。

 

 

午前中は卑山諸堂修復工事に関する打ち合わせが有りましたが、これだけ日常的に災害が発生すると、修復工事にも万全を期して臨みたいと思っています。午後からはお盆の棚経(たなぎょう)に出掛け、読経後はお檀家さん家族との団欒になりましたが、御先祖の霊供養のみならず御家族との親交ほど心が和むものは有りません。

 

三上家にて ご家族揃ってのお盆のお参り

三上祐輔君は幼少の頃より、和尚がお参りに行きますと必ずお祖父様と一緒にお経を唱え、お寺の行事にも必ず参加していました。今日も和尚が諷経に行きましたが、その祐輔君も今では20歳! 一流のパティシエを目指して目下金沢で修行中! まもなく本格的実践に入るという話を聞き、大変嬉しく思ったものです。なにしろ祐輔君は「おじいちゃんっ子」でしたから、今年亡くなられたお祖父様も草葉の陰で眼を細めて見守っておられる事と思います。

 

現在は新命副住職が各御家の棚経をしており、お檀家様とも交流を深めているようです。お盆の棚経は、祖霊供養を通してお檀家皆様と親交を深めながら御仏の慈悲心の御利益を授かる安心のひとときとなる事を念じて止みません。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1815話 】
2018年 08月 07日 談

今日は立秋です。いや~、今朝方からいっぺんに涼しくなりました。台風13号の影響からかも知れませんが、まったくに暦どおりで境内の風景さえ何処と無しか初秋の風情を感じさせてくれます。昨晩は内孫たちと夕食を共にしましたが、実に賑やかで楽しい時間でした。玄峰副住職の幼稚園時代のアルバムを孫達と囲んで見ましたが、大いに盛り上がりました。今では息子達の幼少の頃の写真を見る機会も少なくなっているだけにとても新鮮で、孫達も自分の顔と見比べながら「似ているね!似ているね!」って大喜びでした。写真っていいですね!ビデオ動画もいいのですが、写真はじっと長く見つめる事が出来、本当に懐かしい子育て中の色々な想い出が蘇えってきます。人生50年から今や人生80年!想い出も尽きません。

最近では終活の中で自分史を作成して、想い出の写真と共に子供達へのメッセージを残される方が増えてきましたが、成る程、自分の両親の人生についてどれだけ知っているかというと、殆んど知らないような気がします。今からでも両親の遺品を整理して「想い出史」を作成したいと願っています。

 

一回きりの人生、それぞれにいろんなドラマが展開されていきますから、最後の最期まで未完のドラマとして記録して行きたいものです。まもなく盂蘭盆会、祖先の霊供養を丁寧に修業したいと念じています。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1814話 】
2018年 08月 06日 談

本当に久しぶりの雨模様となりましたが、しかしそれも束の間、瞬く間に雨も上がり強い陽差しが戻ってしまいました。それでも気温は一気に32℃まで下がり、どこと無しか涼しく感じたものです。おそらくはここ1カ月ぶりの降雨だったと思います。僅かの雨ながら境内の木々は息を吹き返したようでした。

本日はお盆の棚経(たなぎょう)のため、中村家に出掛けました。卑山にある「家族動物霊堂・慈光堂」が完成して約40年になりますが、中村修二氏 <ペット愛葬社 会長> と出会い意気投合し、卑山に動物達の霊を弔う「慈光堂」を創設しました。少子高齢化社会が進む今日、家族動物を飼われているご家庭が急増しているように思います。最近では「ねこカフェ」や「フクロウカフェ」また「ねこ寺」などの話題がマスコミに取り上げられていますが、家族動物の果たす役割が増えるにつれ動物達の霊供養も丁寧に行われており、大変嬉しく思っています。ペット愛葬社も今では福井県内を始め小松市、金沢市内と6カ所の霊堂を運営し、家族動物達の納骨堂では毎月、慰霊祭を修業しています。

 

 

盂蘭盆読経後は、中村幸雅社長も同席しての楽しい会食のひと時を過ごすことが出来ました。ペット愛葬社・中村修二会長には寺院運営の面でも多くのアドバイスと御支援を頂いており、感謝している次第です。本当に多くの方々とのご厚誼とご指導ご支援によって寺院の維持と復興が成されていきます。

 

花園流御詠歌婦人部 練習会のようす 盂蘭盆会に向けて  / 大安禅寺 書院にて


さて、午後からもご供養とご祈祷が有りましたが、15日の卑山盂蘭盆会大施餓鬼会法要日が近づくに連れ俄かに慌ただしくなって来ました。酷暑のなか、修行三昧の日々が続いていきます。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1813話 】
2018年 08月 05日 談

橘曙覧  福井幕末の歌人 国学者 (1812-1868)

今朝方の福井新聞に「橘曙覧(たちばなのあけみ)の生き方子孫説く」という見出しで記事が掲載されていましたが、本日は、その橘曙覧の墓地の有る卑山に、子孫の吉田秊(みのる)氏を始めとする従妹会の皆様約30名が来寺されました。

橘曙覧 子孫の会の皆様

橘曙覧は福井の幕末の歌人で、「楽しみは 朝起き出でて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」という一句があります。平成6年6月、天皇皇后両陛下が日米親善でアメリカ合衆国を訪れた際、ホワイトハウスのレセプションの席でクリントン大統領が歓迎の言葉としてこの句を詠んだ事で一躍有名になりました。今年は没後150年を迎えるにあたり、子孫の方々が橘曙覧を偲ぶため墓参に来られました。お墓は卑山裏山200メートルほど登った杉木立の中に有り、墓参後には枯木堂で法話を催行しました。吉田氏は橘曙覧の子孫で、今年は従妹に当たる方々が全国から集まったそうです。

 

今日も気温がグングン上昇し、午後には34℃を超えるなかを中国からのお客様を迎えての坐禅が実施されました。本日に限り、坐禅堂の室温を26℃に保ちながらの坐禅体験となりました。

 


新命副住職が富山県氷見市の宝光寺様はじめ3ヶ寺の盂蘭盆会特別法話に出張したため、留守居の法務補佐役に入ったわけですが、自坊に戻ってもやはり休息は望めないようですね。それにしましても今日の坐禅体験、中国の学生さんは本当に素晴らしい若者達でした。謙虚な姿勢で坐禅に臨み、とても立派でした。また是非御来寺下さる事を願っています。友峰和尚より

 

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870