8月, 2019年

第2194話

2019-08-21

「 水声 」 友

葉月も後半に入り、急に気忙しさを感じ始めました。若い頃は空白の予定表を見てジレンマを感じ取ったものですが、70歳を超えた途端、予定表を確認するのを避けているようにさえ思います。「今やらねばいつ出来る!俺がやらねば誰がやる!」とは和尚の座右の銘ながら、さすがに最近は「今すぐ行動する」ことへの難しさを感じ始めています。「人事を尽して天命を待つ」の格言もまた自分に課せられた最後の公案と捉えていますが、残された人生の中で、自分に課せられた天命を知るための努力を惜しんではならないと日々摸索の中にいます。

元気の源! 御手製の「黒にんにくはちみつ漬け」

先般の体調不良から現在も食事制限療法を続けていますが、昨日も岐阜県在住の武藤澄枝様より御手製の「黒にんにくはちみつ漬け」を頂き、毎日2個ずつ食べています。要するに、健康と実践は不二なるものですから、まずは健康管理に徹して人生最後の天命の仕上げに入りたいと思っています。大安禅寺からは日々、修理工事の進捗状況が副住職より送られて来ていますが、今後も不退転の気持ちで頑張って行きたいと念じています。友峰和尚より

第2193話

2019-08-20

金沢市内に大雨洪水警報が出され、午前中は土砂降りの雨となりました。久しぶりの大雨で気温も一気に下がり初秋を思わせる雰囲気でしたが、午後からは気温も上がり夏の蒸し暑さが戻って来ました。午前中には中川健造様御夫妻と武藤靖様御夫妻が来寺され、しばしの歓談の後、帰路の途につかれました。また滋賀県在住の長女家族も昨晩より寳勝寺に泊まり、賑やかな一日となりました。

中川様、武藤様とともに 歓談のひとときを過ごしました

記念撮影を致しました

日中友好の朝顔 これからも次々と咲き続けます

8月に予定されていた殆どの行事を無事に終え、夕方には地元星稜高校と中京学院大中京高校の準決勝をテレビで観戦しました。試合を見ながらいつしか深い眠りの中に入ってしまったようで、気がつけば9対0で星稜高校の校歌が流れていました。人生は「夢また夢」の世界、勝ったか負けたか知る由の無い深い眠りの中ほど安心は有りませんが、目が覚めれば「勝った負けた」のバトルの世界! 笑う者あり! 涙する者あり! 嗚呼!それが青春というものなのか! 和尚の遠い遠い遠い昔むかしの姿もまた夢なのかも知れませんね。友峰和尚より

第2192話

2019-08-19

卑山で育てている「日中友好の朝顔」が今年も見事な花を咲かせています。盂蘭盆大施餓鬼会をすべて無事に終えた本日、その朝顔の種を分けて頂いた広島県福山市にお住まいの中川美術館館長・中川健造様御夫妻が、武藤靖様御夫妻とともに寳勝寺を訪ねて下さいました。

 

右から 中川健造様ご夫妻、そして 武藤靖様ご夫妻です

今から7年前、中川様より分けて頂いた朝顔の種ですが、清朝最後の皇帝(ラストエンペラー)である愛新覚羅溥儀氏の弟、愛新覚羅溥傑氏(1907~1994)とその妻・浩夫人が毎年愛でられた大変珍しい朝顔で、写真の如く赤紫色に白いふちどりの、実に大きな花弁を広げる気品のある朝顔です。これまでにも多くの方々に種を分けてきましたが、この時期になると開花の写真を添えて皆様よりお便りが届いています。本日は思いもかけず中川様御夫妻が寳勝寺に御来寺下さり、武藤様ご夫妻とともに久しぶりに「日中友好の朝顔」の話でもちきりとなりました。

本堂にて 御先祖供養並びにご祈祷を修行致しました

この朝顔の種は、日本在住の愛新覚羅溥傑氏御夫妻の次女・福永嫮生様が「日中友好の朝顔」と命名して多くの方々に今日まで分けてこられました。今年も大輪の花を咲かせていますが、日本と中国との友好の輪が広がる事を念じて止まないものです。友峰和尚より

第2191話

2019-08-18

 

大安禅寺家族動物霊堂にて 月例総供養を修業しました 

本日は新命副住職が留守のため、大安禅寺での法務遂行に当たりました。午前中にはお檀家様の満中陰忌法要を修行し、午後3時からは家族動物霊堂での月例総供養を営み、引き続き午後4時からは卑山花園霊苑での納骨諷経と終日お経三昧と成りました。

 

参列者の皆様が ご焼香されているようす

ご供養修業後の 法話にて

どこがいったい「ちょっといい話」なのかと申せば、寺院は一日中お線香の煙が絶えることなく焚かれていることだと思います。お線香の煙の中に、人々の慈悲の心を感じ取ることが出来ます。その慈悲の心とは「思いやりと感謝の心」です。久しぶりに自坊での家族動物霊総供養に臨みましたが、たくさんの方々がお参りされており、心より嬉しく思いました。

 

大安禅寺 花園霊苑でのご供養のようす

 

現在、㈱アイソウシャ様が運営する家族動物供養堂は大安禅寺を始め金沢など8か所にあります。最初に大安禅寺に第1号家族動物供養堂が出来たのが昭和53年ですから、約40年が経ちました。今でも毎月欠かさず家族動物の霊供養にお参りされている方がおられます。近年の少子高齢化社会の進む中で、ますます家族動物たちの役割が大きくなって来ているようです。友峰和尚より

 

第2190話

2019-08-17

蓮が咲きました / 寳勝寺玄関にて

今日も猛暑日となりました。午前中にお檀家様の年忌法要が修業されましたが、東京・横浜から来寺された方が多く、東京駅は帰省客で大混雑の様相だったとか。心配された台風でしたが、お盆明けの帰省客には影響も無く本当に安堵しました。今年のお盆明けは土曜日、日曜日と繋がったため、明日までお盆休暇の会社が多いようです。

 

本堂にて 檀信徒様の年忌法要が修業されました

 

法要終了後は休息をとり、熱戦が続いている高校野球の試合をテレビで観戦しました。本日は地元金沢の星稜と智弁和歌山、午後からは福井の敦賀気比と仙台育英という強豪同士の素晴らしい試合でした。ニュースでも話題になりましたが、如何に若き高校生だからといってピッチャーの連投は避けて欲しいと願うものです。もちろん試合会場の都合や選手の滞在費用また応援する側の費用の都合など色々問題は有ると思いますが、本日の星稜高校・奥川恭伸投手のように足をひき釣りながらの投球姿はファイトと共に素晴らしく感動もしますが、本人の心身疲労状況を慮ると大変心配になります。世の中の価値観の移り変わりとともに、高校野球の試合運びの有り方にも工夫が求められているようです。しかしながら星稜と和歌山智弁の試合は見事な熱戦でした。両チーム好投手の素晴らしい投げ合いに高校生魂を見たのも事実です。両チームに賞賛の拍手を送りたいと思います。

酔芙蓉が咲き始めました / 寳勝寺境内にて

令和元年度 盂蘭盆会住職法話より

2019-08-17

 

【令和元年度 寳勝寺盂蘭盆会 住職法話より】

今年も無事、盂蘭盆会(うらぼんえ)を円成出来たことに安堵致しております。年に一度の盂蘭盆(うらぼん)施餓鬼会(せがきえ)ですから、臨済宗妙心寺派の法式(ほっしき)梵唄(ぼんばい)に則(のっと)って今後もきちんと執り行っていきたいと思っております。…人間の天寿は約120年と言われますが、我々の寿命は宇宙の存在から比べると点にも粒にも満たない短いものです。せっかくこの世に尊い命を頂いたのに、日々喜怒哀楽の感情の中に翻弄され、虚(むな)しく一生を過ごす事にならないように、どのように生きていくべきかを考えねばなりません。

 

 

…お寺での法要の意義は何かと問われれば、それは「気づくこと」「目を醒(さ)ませ!」ということだと思います。盂蘭盆会は“ウランバーナ”というサンスクリット語の音写で、それを訳すると「逆さま=倒懸(とうけん)」となります。これは本来どういう意味かと言いますと、我々はいつも“逆さま”にモノを見ていると解釈されています。誰しも、何か出来事が起きると最初は悪いほうへ悪いほうへと思いを巡らせますが、出来事が良いか悪いかではなく「今」が大切で、究極いま何を成すべきかが大切だと思います。 

 

 

…我々は素晴らしい五感を有していますが、その眼・耳・口などの機能を正しく使っていくことの大切さです。例えば他人の悪い所に目が行き、嫌な話ばかりが聞こえ、他人の悪口ばかり言っているのでは、良い使い方とは言えません。その「今」の自分の心をすべて捨て切るところが、本来の真心だと思うのです。 「今という 今こそ今が大事なり 大事の今が生涯の今」という言葉が有りますように、今が大切であるからこそ、今の心をしっかり見つめていくことの大切でもあります。 …(中略)… 法要に参列する意味とは、普段の日常生活から離れ、お寺でしか聞けない佛(ほとけ)の話を聞いて頂き、自らの心に「気づく」ことの巡り合わせなのだと思います。 

 

 

さてそこで我々の命(いのち)には3つの「命の縁」があると思います。それは、「宿命」「運命」そして「天命」です。宿命というのは、自分ではどうすることも出来ない、生まれながらに宿している命です。そして運命とは、宿命と共に人との巡り合わせによって進化していく命です。次に天命とは、目には見えないけれども、「天」から課せられた使命のことです。宝勝寺が皆様との仏縁によって今日復興できたことも、すべては宿命、運命そして天命のおかげなのです。何事も仏縁に委ね、「人事を尽すことで天命から得る御利益」によって今の宝勝寺の復興が有るのだと思います。

 

 

皆様お一人お一人に、天から与えられた使命が必ずあるはずですから、それを他の誰でもない自分の心の中に問いかけ、人事を尽くしていくことこそが仏心の働きだと思います。目に見える世界はもちろん、目に見えない心の世界にも思いを馳せ、ご先祖様のご供養を通し、他人の喜ぶ事また幸せを願う事こそが、自己の安心(あんじん)に繋がって行くのだと思うものです。(令和元年7月7日 盂蘭盆会住職法話より 事務局が編集しました)

 

 

第2189話

2019-08-16

台風一過! 心配された北陸地方への影響でしたが、どうやら無事に通過したようです。この度の台風により被害に遭われた地域の皆様には心よりお見舞い申し上げます。自坊の盂蘭盆大施餓鬼会と諸堂修理工事檀信徒説明会を終え、本日は法務遂行のため金沢・寳勝寺に入りましたが、お盆が明けても金沢市内観光を楽しむ観光客で例年通りの賑わいを見せた寺カフェでした。

 

大人気の 長田製紙所・越前和紙朱印帳 です

近年「御朱印帳」持参のお客様が急増しています。その年齢層はさまざまですが、なかでも若い女性の皆様に人気を博しているようです。以前の御朱印帳は伝統的なものが多く見受けられましたが、最近は色柄もカラフルで、御朱印を書く側にとってもデザインを楽しみながら書いています。チョット頂けないのは有名な神社仏閣の御朱印にプレミアがついてインターネットで売買されているそうですから、ここでもネット社会の問題が出てきているようです。いずれにしましても御朱印の本当の意味は「写経したものを奉納ご祈願した印として受け取る」ものですから、お間違いのないように。

基本の御朱印帳も有ります

手作りの 御朱印帳袋 も人気です

さて、和尚はようやく5ヶ寺の盂蘭盆会を全て円成し、心から安堵の中にいます。明日は寳勝寺お檀家様の年忌法要が予定されていますが、気持ちを一新して臨みたいと思っています。猛暑の厳しき折、皆様に於かれましてはくれぐれも御身ご自愛ください。友峰和尚より

本堂裏庭にて 龍潭寺むくげ が咲き始めました

第2188話

2019-08-15

大安禅寺御詠歌婦人部による 盂蘭盆大施餓鬼会 御詠歌奉納

台風10号の影響で時折強風が境内を吹き抜ける中、午前10時半より「大安禅寺盂蘭盆大施餓鬼会」が厳修されました。本堂は修理工事中の為、今年からは冷房の良く効いた枯木堂での法要となり、外の気温は36℃と猛暑日でしたが参詣者の皆様にとっては極楽!極楽!といった環境でした。本日は法要終了後、修理工事の経過報告を兼ねた「檀信徒説明会」も開催された為、例年より多くの参詣者で満席となったようです。約12年間に及ぶ修理工事の為、今後の年中行事はすべて枯木堂を使用しての法要となります。

 

檀信徒説明会では、新命副住職の司会で修理工事の現況報告が工事関係者によってなされましたが、冒頭に工事施工者、松浦建設㈱ 社長・松浦弥氏のご挨拶が有り、引き続き工事監督責任者で文化財保存研究協会・高木氏による解体工事進捗状況説明が行われ、スクリーン写真を用いながら檀信徒皆様に分かりやすく重要文化財保存の大切さをお話しされました。

檀信徒説明会にて

松浦建設㈱ 代表取締役社長 松浦弥氏のご挨拶

文化財保存研究協会・高木氏による解体工事進捗状況説明

また新命副住職が補足の説明をした後、この度大本山妙心寺塔頭、雑華院住職・華隠窟老大師様より卑山重文諸堂修理工事に対して多大なるご浄財ご寄進を賜りました件について、時系列を以って詳しく説明をさせて頂きました。檀信徒説明会の最後には、今後の浄財勧募についての勧募委員会を設立する旨の御願いをして散会となりました。檀信徒皆様には今後とも絶大なるご支援ご協力を賜りますよう、何卒心よりお願い申し上げる次第です。友峰和尚より

第2187話

2019-08-14

明日の午前10時半より「大安禅寺盂蘭盆大施餓鬼会」が枯木堂で厳修されます。諸堂修理工事のため今年より枯木堂での法要となりますが、冷房が備わった涼しい堂内での法要となり有り難く思っています。今年のような連日35℃を越える猛暑日の中では、冷房なしでは本当に大変です。ましてや熱中症の警告が毎日出ているので尚更の事です。お盆休暇で修理工事はストップしていますが、檀信徒の皆様には法要後に現場視察が予定されています。台風10号の影響で、北陸地方は明日の午後から風も強く大雨になるとか。天候状況が気に掛かるところです。

桜衣(さえ) と 楓実(ふみ) です

さて、滋賀県から長女の子供が里帰りで来ており、和尚のアトリエに遊びに来ました。孫の成長に接するのは本当に嬉しいものですね。そういえば本日金沢より帰寺した折、福井駅は大勢の帰省客で賑わっていましたが、息子や娘の里帰りで迎えに来ている両親(じいじ・ばあば)と孫達との会話ほど微笑ましい光景は有りません。里帰りと同時にご先祖のお墓にお参りされる光景がいつまでも続くことを願いたいものです。友峰和尚より

第2186話

2019-08-13

行燈仕立ての 日中友好の朝顔 まもなく開花

「地震・雷・火事・おやじ」とは日本における恐ろしいものの例えですが、その中に「台風」が無いのは如何なものかと訝(いぶかし)がる方がおられますが、実はその「おやじ」こそが「台風」を指すのだそうです。その理由は、昔の親父と言えばひとたび怒ると台風の如き様相を見せたのもつかの間、まるでつむじ風のように去って行きます。どちらにしても歓迎できない実態でも有ります。心配される台風10号ですが、ゆっくりと本土に向かっている様子で大変心配しています。

碗蓮の花 着々と大きくなっていきます

寺カフェは里帰りのお客様で例年通りの賑わいを見せていますが、台風到来の影響からか何処となしか落ち着かない様子でもありました。8月15日、大安禅寺盂蘭盆施餓鬼会の午後に北陸を通過するとか、本当に無事通過することを願っています。

大安禅寺檀信徒の小林さんと 新命副住職とともに

本日は休息を返上してカフェの台所方に入りましたが、夕刻には新命副住職がお檀家の小林さんと共に寳勝寺に寄ってくれました。風も幾分強くなって来たようでしたから安全運転での帰福を願いました。全国的に水難事故も多発している様ですから海水浴には十分気を付けて頂きたいものです。家族の団欒は安全安心が一番ですね!

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