5月, 2017年

第1364話

2017-05-13

クレマチス / 寳勝寺 中庭

雨上がりの清々しい風を受け、今日は金沢兼務寺院「傳燈寺」と「瑞光寺」に定期巡回に行ってきました。和尚は現在四ヶ寺を保っていますが、中には八ヶ寺ないし十ヶ寺を兼務されている住職もおられるとかで、無住寺院の問題は本当に深刻な状況のようです。金沢兼務寺院はお檀家数が少ないため、まだ行き届きますが、お檀家数の多い兼務寺院住職は法務をこなすのも至難であろうと察します。

ぶどうの葉の下で 雨宿りする 蝶 / 寳勝寺 中庭

兼務しながら思いますが、どのお寺もそれぞれ違った「寺風」を感じるものです。以前もそのようなことを書いたと思いますが、それぞれ寺院の法系が有るように、法脈が違うとお寺の雰囲気まで違って感じるのは不思議な話です。三百年ぐらい前の住職は全国の寺院を転々としながら布教活動をしたといいますから、その意義が少しわかるような気がしています。お寺にずっと居るから「住職」と言うんだそうですが、和尚の場合は色々巡回しているのでどうやら「自由職」的立場に有るようです。兼務寺院を巡りながら無事を確認して午後には寳勝寺に戻りましたが、現在では寳勝寺を拠点に法務活動に当たっています。昨日は卑山責任役員の北條様、須貝様両ご夫妻が訪ねて来てくださいました。お檀家様との交流が何よりも楽しみな今日この頃ですが、そろそろ金沢各寺院と本山との御法縁を結ぶ「花園会」を充実させていきたいと念じています。「新緑の 深山に祈る 古寺しずか」溪仙

「花を弄すれは 香り 衣に満つ」 渓仙 書

 

第1363話

2017-05-12

ふたりしずか / 寳勝寺 境内にて

一難去ってまた一難と申し上げてみても、皆様には何が一難なのか知る由もないこととは思うのですが、とにかく次々と難題に直面していきます。誰かさんが言うのに「難しい問題が発生するのは、その問題を解決できる人に与えられる試練でも有る」とか。エッ!そんな!と言いたいのですが、素直にその言葉を信じて、ひとつずつ問題解決のために尽力せねばならないと気持ちを新たにしています。

北條家 御墓参のようす

北條様御夫妻 苑内の視察の様子

「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」の工事は今のところ順調に進んでいるようで嬉しく思っています。本日は卑山責任役員総代の北條様ご夫妻、須貝様ご夫妻が揃ってご来寺下さり、丁寧なご挨拶を受けました。寺院運営に於いては責任役員総代様の協力が住職の大きな心の支えとなります。今回の霊苑改葬工事に於いても言える事ですが、多くの関係者の真心が卑山事業成就へとつながっていくようです。

北條様御夫妻、須貝様御夫妻とともに

さてさて、日々ブログをご覧いただいている皆様のご健康とお幸せを願わずにはおれません。どのような形であれ多くの方々との仏縁を今後も大切にしていきたいものです。終日夏を思わせるような気候となりましたが、皆様に於かれましてはくれぐれも健康に留意して、お健やかにお過ごしください。友峰和尚より

第1362話

2017-05-11

朝からいっきに気温が上がって蒸し暑い気候の中、大本山妙心寺法堂にて午前十一時より「白隠禅師二五〇年遠諱法要」が妙心寺管長様はじめ約三百名の僧侶そして約二百名の一般参詣者の見守る中、厳粛に執り行われました。法要後には微妙殿にて精進料理が振舞われましたが、白隠禅師二五〇年遠諱法要に出席できた法縁を嬉しく感じたものでした。

白隠禅師は江戸初期に出られた臨済宗の禅僧ですが、雛僧の育成に尽力された方で、特に「隻手無聲」の問答が有名です。「隻手」とは片手のことで、「無聲」とは音が鳴らないの意味ですが、その「片手の音を聴いて来い!」という禅問答なれど、常識ではなかなか難しい問題です。「両手打って音有りと、片手に何の音ありや!」ということが問題提起されています。臨済宗の僧侶になるため修行道場に入門しますと、しばらくして師匠からこの問答をもらい、答えが出るまで日夜この問題に取り組まなければならないわけですが、皆様はなんと答えますでしょうか? 本当に面白い問題だと思います。片手の音が聞こえたら、皆さん和尚にそっと教えて下さいね。

さて、その片手の主こそ自分自身に他なりません。明日から再び法務に集中して頑張って参りましょう。隻手!隻手! なにくそ!隻手! 友峰和尚より

第1361話

2017-05-10

雨模様の一日となりましたが、今は新緑の美しい季節。この雨を受けて木々の葉っぱは一層色濃くしています。朝一番のお仕事は外掃除から始まりましたが、気持ちの良いのなんのって、言葉では言い表すことが出来ません。空気も若葉も鳥たちもいっせいに和尚に向かって声をかけてきます。そうした中、今、大安禅寺諸堂の全面修復工事が始まろうとしています。子々孫々にまで伝えて行かなければならないものは一体何なのか、しみじみと自分自身に問いかけています。重要文化財でも有る卑山の建造物は、当時の宮大工をはじめとする多くの専門職人が携わり見事な匠の技を今に伝えています。そこに歴史的建造物を後世に残していかねばならない意義が見いだされていきます。無常の世であるからこそ、歴史遺産を次の世代へと伝えることは子供達に未来への希望をつなぐ大切な役割でもあると思います。

雨の京都駅

明日は大本山妙心寺で午前11時より「白隠禅師250年遠忌慶讃法要」が営まれますが、その法要に出頭するため、昼過ぎに京都に向かいました。宗教においても、仏法の「師資相承」が究極の伝法となります。人も、物も、先人達の並々ならぬ精進努力の結晶を後世に伝えていく事が「報恩菩提」としての僧侶の生き方であろうと強く意識するこの頃です。南無観世音菩薩 友峰和尚より

5月9日 霊苑改葬工事のようす

2017-05-09

5月9日の寳勝寺霊苑工事現場です。ゴールデンウィークを過ぎ、工事も本格的に再始動しています。植栽では、ツルバラのトレリス(支柱)が設置され、苑内にひときわ立体感が出て来ました。

棕櫚縄で バランスよく留められる ツルバラ

また昨日は、金沢市歴史建造物整備課の担当者の方が、庫裏側外壁と霊苑側外壁修復のための視察に来られ、各所を入念に調査されていました。

霊苑側の外壁 トタン板やアルミサッシなど 木で復元する計画をしています

山門玄関では、前庭工事に向けての工事や庭石のレイアウトなど、㈱ココ・プランニング宮崎デザイナーの指示のもと、確認が行われています。

クレーンで、庭石や敷石を降ろしているところ

洗い出しの中に所々配置される 大きな敷石

境内を飾る 庭石

 

第1360話

2017-05-09

今日は世の中の喧騒からは遠く離れた山寺に有って、ゆったりした休息の時間を楽しむ事が出来ました。家内が日々心を込めて管理している薔薇園で、卑山御詠歌婦人部皆様と息子の嫁と孫も加わってのティータイムとなり、ワイワイガヤガヤ、花が話題の中心でした。薔薇園は今年で3年目を迎え、今ではどの苗も大きく育っています。薔薇の種類は約30種あるらしく、薔薇の他にもクレマチスなども見事な大輪の花を咲かせています。

薔薇園の周りの紫陽花も大きな蕾をつけ、6月上旬の開花が待たれます。これから和尚も花菖蒲の手入れに入りますが、緑に囲まれた花菖蒲園は楽園そのものです。時折風が強く吹き抜け、鯉のぼりの鯉が勢いよく泳ぐ様を見て秘かに孫達の健やかな成長を祈りました。「無事是貴人」とはそのような心境を言うのであろうと感じ取っている間もなく、次々と難題が押し寄せてきます。どんな問題が生じても、心だけは常に無事でいたいと念じて止みません。禅語に「青山緑水元旧 明月清風共一家」(せいざんりょくすいもとふるきによる めいげつせいふうともにいっか)とあるように、何もかもが昔のまんま、そのまんまですね。

さて、大安禅寺御詠歌婦人部の皆様! 薔薇園をお楽しみ頂けましたでしょうか? 皆様から色々な地方のお土産を沢山頂き、こちらも有り難うございました。きっと大型連休を十分に楽しまれた事と察しました。笑顔で元気が何よりのお土産でしたよ。友峰和尚より

第1359話

2017-05-08

外に出るとなぜか鼻がツンツンする気がします。ニュースでは大量の黄砂が本土に飛来しているとか。勿論、最近問題になっているPM2.5も黄砂に含まれているため、外出の際にはなるべくマスクを着用した方がいいとのことでした。されどPM2.5などの有害物質は防ぎようも無く、黄砂のひどい時は努めて室内に居るほうが安全を確保出来そうです。そればかりか先日には「有事の際は放射能汚染も心配される」との報道もあり、今後いったいどうすればいいと言うんだい!と怒ってみても、手の打ちようも無いのが現実です。ダイオキシン汚染やフォルムアルデヒド被害、化学物質アレルギー等々、次々に人類を襲う汚染物質から今後いかに子供達を守っていけるかが問われています。以前、法務で飛騨の高山を訪れた際も、山全体が白い靄に覆われ、それが霧では無くPM2.5と知って驚いたものでした。もはや大気汚染は山深き山中にまで及び、安全安心な場所は無いようです。

大安禅寺 無心亭にて

今日は朝一番に、久しぶりに大安禅寺の境内を散策しましたが、そんな話題がウソのように爽やかな青々とした青葉若葉に包まれていました。「ギブリ」が「ジブリ」と発音された宮崎駿の世界では有りませんが、「サハラ砂漠に吹く熱風」の如くに国土が不毛地帯になってしまってはおしまいです。ジブリ作品「となりのトトロ」を始めとする多くの作品が自然保護の大切さを訴えているように、メディアやSNSを通して世界中に自然環境保護運動の輪をもっともっと広げてほしいと願ったものです。

さて本日は大安禅寺でのんびりと過ごすことが出来ました。「何にも思わぬが仏の稽古也」とは申せ、頭の中は気になることでいっぱいです。大気汚染問題と同じく、一つ一つ地道に解決していかねばと自省の毎日です。友峰和尚より

第1358話

2017-05-07

寳勝寺 霊苑のバラが開花しました

皆さんお元気ですか? 大安和尚です! 今日はゴールデンウィーク最終日。きっと長いお休みで皆様お疲れになっていることと察します? 今年は本当に良いお天気が続いた大型連休となりました。最近では有名観光地がライブでインターネットにアップされているため混雑具合も良く分かりますから、実に便利な世の中になったものです。日本国内ばかりか国外の観光地もライブで放映されているのには驚きます。もはや世界中の人々の動きがリアルタイムで伝わって来る時代、そういえば旅行者もタブレットを持参しながらの観光地巡りが目立ちました。

ライブの話なら、和尚は今、NASAが宇宙ステーションから送って来る宇宙空間のライブ映像にはまっています。こんな具合ですから、これからはますます情報化社会が進み、旅行者も疲れずに済む時代が来るのかも知れませんね。

さてお休みも今日まで、気持ちをガラリと切り替えて明日からの仕事に備えなければなりません。寳勝寺ふれあいパーク霊苑工事も再び始動し、7月の完成が待たれますが、同時に大安禅寺の重要文化財諸堂修復工事への準備も始まります。うんうん、和尚の身体のメンテナンスも始めましょう! 何もかもが修復の時期を迎えているようです。どうやら頑張るよりほかに手立ては無いようです。頑張って参りましょう! 友峰和尚より

御本尊のご真前に 霊苑のバラをお供えしました

 

ゴールデンウィーク最終日です

2017-05-07

ゴールデンウィークも最終日を迎えました、日曜日の寺カフェです。今年は4月29日から数えると9日間の大型連休で、金沢市内も大変賑わっていました。寺町界隈にもたくさんの観光客が往来し、快晴続きでとても爽やかな風景でした。寳勝寺でも、お参りの方やカフェ御利用の方や御朱印を求めて参拝される方など、連日多くの方が来寺され、スタッフ総出で応対させて頂きました。現在は霊苑と境内全域が工事中ということで、出入口のお足元をはじめ色々と気がかりなこともありましたが、無事終了することが出来、本当に安堵しています。

ゆきざさ / 寳勝寺 喫茶室

今年は「ガーデン&寺カフェ」と言いつつお庭が殆どありませんでしたので、寺内には沢山のお花を飾って皆様をお迎えしました。花や枝の一部は傳燈寺のお山から頂いてきたものもあり、春の山野草の清楚な姿は金沢の文化や風土にとても合っているように思いました。また忙しい連休中の秘かな喜びは、植物の生き生きとした成長です。毎日どんどん変わっていくので、朝夕の見廻りがとても楽しみです。雨のあとなどは一日のうちにも変化があり、この時季の雨の力に驚くばかりです。

睡蓮の水瓶から、花芽が出て来ました!

白スミレ / 寳勝寺 中庭

立浪草 / 寳勝寺 中庭

矢車草 / 寳勝寺 中庭

夕刻には、住職と本日の寺カフェスタッフの方々とともに、ゴールデンウィーク業務の終了茶礼をしました。お仕事を無事終えた後の、ゆっくりとしたひとときを過ごさせて頂きました。昨日まで御手伝い下さいました皆様、大変おつかれさまでした。有難うございました。そして、期間中、御来寺下さいました皆々様には、誠にありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。

 

第1357話

2017-05-06

大型連休も残りあと一日を残すのみとなりましたが、皆様に於かれましては十分に休息を楽しむことが出来ましたでしょうか? 今日は一変して冷たい雨の一日となりましたが、花菖蒲や紫陽花にとっては恵みの雨となったようです。金沢市内はここに来ても旅行者の波は途絶えず、観光地としての人気度は衰えを知らないようです。寳勝寺 寺カフェは朝方より家族連れや若きカップルの方々が目立ったようでしたが、残り少ない休日を惜しむかのようにゆっくりと寺カフェでのひとときを楽しんでいるようでした。連休前まではふれあいパーク霊苑工事の音で騒然とした寺内でしたが、連休中は本当に静かで、旅行者の皆様には心落ち着く素敵なお寺の空間を楽しんで頂けたことと思います。

着物姿で 金沢旅行を楽しむ お客様です

和尚はと言えば連休中はカフェのお手伝いでしたが、今後は自坊の花菖蒲園の整備が待っています。今年は6月3日(土)から花菖蒲まつりが開催されますが、近年は「見る観光」から「体験型観光」に変化を見せている為、今年は「写経」や「坐禅」体験コーナーなどを試みるのも良いかと思います。大安禅寺の建造物は重要文化財でもあるので、建造物の説明展や講演会なども体験型のメニューなのかも知れませんね。これから始まろうとしている卑山各建造物大修復工事の進捗状況に合わせながら、重要建造物保存継承の大切さを伝えていきたいと念じています。友峰和尚より

霊苑のバラが咲き始めました

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