10月, 2016年
第1170話
明日より十一月「霜月」に入りますが、愈々今年もあと二カ月を残すのみとなりました。加齢と共に過ぎゆく年月が早く感ずるようになっていくのは、十九世紀フランスの哲学者ポール・ジャネーが発案した「ジャネーの法則」によって知られています。詳しくはインターネットで検索下さればよく分かります。近年は若い方でさえ、「一年が早い!」と言うくらいですから、我々に至ってはもっともっと早く感ずるものです。まさに「光陰惜しむべし」で、寸暇を惜しんで法務に精を出しているところですが、いかんせん身体が思うように言うことを聞かず、老いの虚しさを感ぜざるを得ません。今日は十月最終日ということで、少しばかりお休みしようかと怠け心を起こした途端にお客様がどっとお越しになり、休息どころか却って忙しい一日となりました。それでも本当に有り難い事だと思いました。神仏は和尚の心などすっかりお見通しなのですね。和尚に「休憩」という言葉など最早必要ないのかも知れません。そうそう、和尚の座右の銘は「今やらねばいつ出来る、俺がやらねば誰がやる」でした。自分の言った言葉には責任をもって歩んでいかねばなりませんね。
霊苑内の土中確認作業のようす
敷地全面を掘り返し、土葬墓や埋葬品が遺されていないことを確認中
次々と出土する 石 の破片
さて、皆様はその後いかがお過ごしでしょうか? お元気にしておられますか? 来年は酉年ですが、新命副住職が来年の法話テーマを「日々是好日」と決定したそうです。さっそく職員からお知らせの電話がありました。いい言葉だと思います。まもなく大安禅寺の山門に毎年恒例の門松がお目見えしますが、あと二カ月、皆様、頑張って参りましょうね。友峰和尚より
和尚特製の焼きおにぎり茶漬が人気
深秋の寺カフェ
日々寒くなり、本日とうとう全室に暖房を設えました。毎年「今頃から暖房に頼っていては冬を乗り切れない」と思うのですが、秋の寒さは身に沁み、なにより寺カフェのお客様には暖かく過ごして頂きたいと思い、朝から石油ストーブを運び出しました。お客様にはお寺ということもありそれほど期待しておられないようですが、「よかったー、暖かい!」と安心されている様子を伺うと、とてもホッとします。
近頃は外国人の旅行者も多く、ある時は「ここは海外では・・・?」と思うほど全席が外国人観光旅行者でいっぱいになる日もあります。皆様、禅に大変興味が有り、展示されている住職の墨蹟について説明を求められるなどしどろもどろになっています。日頃から色々と準備しておかねばと反省しています。
夏のあいだ不在がちだった近所の猫が、寒くなって、また中庭に戻って来ました。先日は六斗の広見あたりで見かけましたので、ずいぶん広域に行動しているようです。霊苑の工事も着々と進み、忙しい毎日ですが、相変わらず縁側でゆったりしている姿にとても癒されています・・・。
第1169話
今年の干支は「申」という事で、申年は荒れるとの昔よりの格言通り、これまでを振り返ってみても本当に色々な出来事が起こったものだと心痛の極みです。禅語に「無事是貴人」(ぶじこれきにん)と有りますように、日々が無事であることの難しさでも有ります。今年もあと二ヶ月を残すのみとなりましたが、どうか大きな出来事が起こらないよう祈るばかりです。朝夕には努めて坐禅するよう心掛けていますが、穏やかな心を感じる時ほど自分を有り難く思う事はありません。家族の無事を念じ、孫達の成長を願い、両親と祖先の御霊を奉じ、事業の円成を誓い、色々なご縁に感謝する時が一番のやすらぎです。
今日は自坊から依頼されている色紙書きに専念しましたが、良い字が書けたと大いに気分を良くしたものでした。心の落ち着きは全ての所作に影響して行くものです。佛心の世界に「下品(げぼん)」「中品(ちゅうぼん)」「上品(じょうぼん)」が有ると説かれているように、心の精進によってさらに浄化していくとのことですから、少しでも上品の世界に近づくよう努力をして参りましょうか!無理かな? 友峰和尚より
第1168話
今、最もメジャーなエンターテイナーの「ピコ太郎」さんの記者会見が昨日行われましたが、その場所が「日本外国特派員協会」というからすごいですね。ニュースでも何度も報道されていましたが、インタビューに答えた言葉の中で、「ネットってスゲェ~」と言った一言がとても印象的でした。まさしくネット時代の申し子のようなエンターテインメントだと思いました。もしYouTube動画やフェイスブックが存在しなかったら、今回のように全世界に拡散されることは無かったと思います。いつの時代も、その時代に合ったスターが必ず誕生する事を知った一場面でも有りました。そしてもうひとつ、ピコ太郎さんのように絶対にあきらめないで辛抱強く芸一筋に努力を続けていると、必ず素晴らしいチャンスが訪れることを証明してくれました。それにしましても記者会見でのピコ太郎さんの気さくな人柄が、外国人記者の皆さんに好感を持たれていたようでした。
さて本日は名古屋から本当に久しぶりに木田様がご夫婦で卑山をお訪ね下さいました。大安禅寺観光の集客に大いにご協力下さった旅行会社の方でも有ります。何年経ってもお世話になった方々とお会いするのは心から嬉しく思うものです。御遠方から本当に有り難うございました。友峰和尚より
第1167話
㈱ココ・プランニング 中本会長との打ち合わせ
金沢駅の賑わいはとどまるところを知らず活気を呈しています。北陸新幹線が開業してまもなく二年目を迎えようとしていますが、こと金沢市に於いては現在もなお観光客人気が続いているようです。それぞれの観光地の人気度も高いのですが、特にJR金沢駅のデザインに対する評価も高く記念写真を撮る方が後を絶ちません。都市づくりの要は「主要駅」に有り!!とまで言われますように、東京駅を始めとして京都駅なども話題となったように、金沢駅も観光客の人気を得ている昨今です。また駅構内のご当地グルメや土産物店の配置やデザイン等にも工夫が凝らされ、国外からのお客様に対しても案内所や通訳など万全の態勢が整えられているようで、素晴らしいの一言です。
福邦銀行金沢支店 森川さんとともに
最近、和尚も福井と金沢の行き来に電車を利用していますが、金沢駅での待ち時間を勉強と共に楽しんでいます。旧加賀藩・前田公の未来への文化発展の思いが今に伝えられているように思います。全国的に町おこしの努力が見受けられますが、少子高齢化社会の進む日本社会においては「安近短」を求める人々のニーズに応える利便性に優れたアイデアが勝敗の分かれ目のようです。六年後には福井駅の新幹線開業が予定されていますが、福井県の良さを県外の方々に大いに知って頂くためのJR福井駅にしてほしいと切に願ってやまないものです。友峰和尚より
第1166話
十月を「神無月(かんなづき)」と言いますが、出雲にお集まりの神様もそろそろ自分の御国にお戻りになる頃かと思います。今月も残すところあと四日となりました。日の暮れが次第に早くなっていく今日この頃ですが、身体を休めるには打って付けの時期なのかも知れません。今日は自坊での法務でしたが、午前中には卑山総代・藤田様のお客様をお迎えしました。久しぶりに「愈好亭」での歓迎レセプションとなりましたが、樹齢二百年を超える紅葉が色づき始め、その風情は晩秋の趣を漂わせていました。
「日本食文化を語る会」の皆様とともに
新命副住職に有っては「生き生き法話」に「写経会」と多忙を極めていましたが、久しぶりに聴いた「新命和尚の生き生き法話」は真に「絶好調!!」でした。和尚が金沢寺院に兼務して約六年になりその間、自坊の法務は副住職に任せっきりでしたが、今日の法話を聴くに至ってその成長ぶりには驚きと感動を覚えたものでした。新命和尚は大本山妙心寺の専任布教師でもありますので、これからの活躍を大いに期待したいものです。大安禅寺檀信徒皆様との交流も少なくなっている現状の中で、新命和尚の精進を嬉しく思った一日となりました。さて和尚もさらに三十棒!と向上の一路を目指して奮起して参りたいと思います。友峰和尚より
第1165話
大安禅寺花園流御詠歌女性部 総茶礼 / 大安禅寺 客寮にて
午前中には大安禅寺花園流御詠歌女性部の皆様との総茶礼となりました。家内が女性部を結成して約十年になるそうですが、今なお皆熱心に日々の練習に取り組んでおられます。最近では新しい楽曲も発表され新しい試みがなされています。伝統を受け継いでいく事は困難な時代でも有りますが、また本山・妙心寺の伝統を守って行くという自負心が講員を支えている面もあるようです。声を出す事は健康管理にも大変効果があるそうですから、今後も大いに頑張って欲しいものです。
今日は久しぶりの自坊での法務ですが、やはり新命副住職との交流や家族との団欒はとっても楽しい時間です。来訪者のお檀家様との応対も久しぶりの感が有って、なかなか新鮮でこちらも心地よいものでした。そもそも福井の自坊には、金沢のまちなか寺院生活とはずいぶん違ったリズムが感じられるものです。人間の脳内感覚は加齢と共に鈍くなっていくようにも感じられますが、こと故郷に有っては幼少頃からの体感的、身に染みついた感覚が心を呼び覚ますのかも知れませんね。
福邦銀行の方々とともに
さて、明日は藤田総代様の大切なお客様を迎える事になっています。和尚くらいの年齢になりますと、お客様を遠方よりお迎えする事は「一期一会」の如くに、丁寧に対応して参りたいと願うものです。「おもてなし」の心を大切にしていきたいものですね。友峰和尚より
第1164話
昨日に引き続いて卑山霊苑の立木伐採作業が行われましたが、業者さんの見事な仕事ぶりには感心してしまいました。今ならではのクレーン車をフル活用しての伐採でしたが、枝を払い搬出作業に至るまでの工程は実に流れ作業の如くテキパキと処理され、「プロの妙技」そのものでした。
㈱豊蔵組 担当者の方 と 承証寺様の打ち合わせ
霊苑は樹木を失い一辺に寂しくなってしまいましたが、広々とした空間に、来年六月にお目見えする「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」の完成した様子が和尚の脳裏にはしっかりと捉えられました。さて立木の伐採が終了した後は本格的な改葬工事に入ります。今日は火曜日で「寺カフェ」はお休みでしたので、寺内の模様替えをしてみました。本格的な秋を迎えて朝夕めっきり涼しくなり、今日などは気温が9度と、厚着を強いられるほどでした。お部屋も早々とストーブが登場しました。冬の設えへと様変わりしていく「寶勝寺・寺カフェ」です。ゆっくりとした時間が流れているように感じるこの時期、皆様も一度カフェに来られてみては如何ですか? お寺の空間は不思議空間でも有ります。きっと新しい自分と出会えるかも知れません。行燈の光が仄々として心を温めてくれているようです。友峰和尚より
第1163話
昨日の金沢マラソンから一夜明けて今日は秋晴れの良いお天気となり、朝一番に霊苑立ち木伐採、鎮魂のご祈祷を致しました。本来なれば樹木を出来るだけ残したかったのですが、現在でも根っこが霊苑の真ん中あたりまで伸びて来ている現状から、木の根が新たな墓石を痛めるという理由で止む無く伐採する事となりました。その代わりに、新たに完成する霊苑には沢山の花木が植えられることになっています。
承証寺様との境界に立つ木々の御祈祷
塩、洗米、お酒を注ぎ、お浄めしているようす
続いて、極楽寺様境界の木々の鎮魂 ご祈祷
作業員の皆様も、お浄めをされました
御祈祷後、立木伐採工事が始まりました
またこの度、「ふれあいパーク霊苑改葬工事」に伴い、卑山に隣接する御家にお住まいの竹内正樹様の御厚志により、燈籠二基をご寄進頂きました。良い場所に設置したいと思っています。竹内様には心より感謝申し上げます。
御寄進頂いた燈籠のひとつです
工事の間、河原市石材㈱様で預かって頂くことになりました
さて日の暮れが少しずつ早くなって来た今日この頃ですが、先般、和紙灯り作家「庵陽灯(あんやと)」・堀下幸恵様の行燈作品を㈱ココ・プランニングの中本会長様が寄進して下さいました。さっそく卑山の奥座敷に設えました。
和紙灯り作家「庵陽灯(あんやと)」 堀下幸恵様とともに
秋の夕暮れの中、暖かい燈火が部屋を照らしてくれています。こちらも誠に有難うございました。燈籠に行燈、どちらも「灯り」が共通のテーマです。「暗いくらいと不平を言わずに進んで灯りをつけましょう!」子供の頃、そんなコマーシャルがラジオから聴こえていたのを思い出しました。そうですね、お庭に燈籠が据えられた時には、火袋にロウソクの灯りを燈してみたいものです。今日は心が明るく照らされるような一日となりました。友峰和尚より
第1162話
「金沢マラソン2016」が秋冷の爽やかなお天気のもと、8時50分に二十一世紀美術館前・広坂通りをスタートしました。参加者は1万3千名で、寳勝寺檀信徒の須貝遼さん、前田乾一郎さんと、西野久夫さんが参加され、コースには寺町通りが含まれている為、沿道に応援に出ました。今回のテーマは「金沢を丸ごと走る!」で、金沢城、近江市場、寺町、ひがし茶屋街など歴史的に有名な観光名所を通りながらのコースとなっています。昨晩まで心配されていたお天気も朝方にはすっかり晴れ渡り、絶好のマラソン日和となりました。
スタートして間もなく寺町通りに大勢のランナーが押し寄せてきましたが、しばらくして須貝さんを発見! 続いて西野さん、前田さんと次々に元気な姿を現しました。なにしろ約1万人の方が押し寄せてくる感じですから発見するのは難しいかと思っていましたが、そこはそれ、ランナーが和尚を見つけてくれた状態でした。走っている途中ながら、バッチリと記念写真を撮りましたよ! 皆さん、とても元気でパワフルに走っていました。
写真撮影中、須貝遼さんが駆け寄って来てくれました!
続いて西野さんが登場!
続いて前田さんと!
「ファイトー!!」と声援をかけ送り出しました!
皆さん、素晴らしい走りっぷりでした。嗚呼!走っている姿って本当に美しいものですね。今日はマラソンランナーから勇気と元気を頂いた一日となりました。来年こそ和尚も参加したいと願いました。友峰和尚より
応援の途中、来山くださった前田さんの奥様とともに
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