6月, 2016年

第1047話

2016-06-30

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底紅むくげ / 寳勝寺本堂前庭にて

六月最後の一日でしたが、午前と午後に渡っての二組の来訪者との懇談となりました。最近は何かと自分の時間が取れず気持ちも落ち着きを失いがちでしたが、今日はあらかじめ予約されていたために時間を取ってのゆったりとした懇親タイムとなりました。不思議なものでこれまでの慌ただしかった日々から一辺に解放されたような不思議な一日となりました。人間、心に何か考えごとが有ると時間も矢の如く過ぎて行く感があります。「忙しい」という漢字は「心を亡くす」の意味だという事をよく耳にしますが成る程その通りで、日頃からの大切な方々とのお付き合いも疎遠になってしまうのは大変いけない事です。夕刻には兼務寺院の金沢市本多町・瑞光寺に法務遂行のため出向きましたが、寺庭でもある奥様とのお話しも大切で、七月の盂蘭盆会の日程などの打ち合わせをして寳勝寺に戻りました。本当にゆったりとした時間が流れて行きました。自分の心次第で時間はどのようにでも使っていけるようです。人々の日々の過ごし方には色々あると思いますが、時間の余裕とは自分が作って行かねばならないと深く反省いたしました。六月一か月の緊張状態から解放された今、今年の後半に向かって心のゆとりをもって歩んで行きたいと念じています。友峰和尚より

第1046話

2016-06-29

今月は「小」の月であと一日を残すのみとなりました。いつもの月よりたった一日少ないだけですが、感覚的には随分と短い感じがするものです。七月を昔の暦で「文月(ふみづき)」と呼ぶように、御先祖の霊と言葉を交わすお盆月でも有ります。最近では全国的に八月十五日の旧盆に御先祖供養を行う県が多いようですが、金沢市は今でも七月にお盆の行事を行っています。金沢特有の「キリコ」が御先祖墳墓に祀られ始めますと、「愈々お盆の季節が来たな~」と実感するものです。

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お墓にお供えされた沢山のきりこ / 平成26年 少林寺にて 

和尚の子供の頃には、九頭竜川で灯篭流しをした事を思い出します。年々、昔からの伝統的仏教行事が失われいく今日、それに伴って御先祖の恩を想う気持ちも薄れていくように思います。幸いに大安禅寺では、創建当初より四百年間に渡って連綿として年中行事が遂行されて来ています。本当に有り難い事です。

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本日の霊苑改葬工事会議の様子

寳勝寺でも三年前にお盆の行事を復活させ、この七月十日に盂蘭盆会施餓鬼供養を修行致します。御先祖供養は自分の心の供養でも有り、自分の命に感謝する日でも有ります。人々の心の中から先祖を想う気持ちや感謝の心が失われて行くことは本当に寂しい事です。父や母の霊を偲ぶとき自分が生きている事の意義を実感できます。七月はお盆月、どうか皆様方の御先祖の霊が安らかならんことを心からお祈り申し上げたいと思います。友峰和尚より

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第1045話

2016-06-28

穏やかな時間が過ぎて行く一日となりました。今日はお寺の休息日でしたが、午後から御挨拶のお客様が来られるため早朝より応接間の設えをいたしました。寳勝寺はお部屋に限りが有る為、色々設えの工夫しながらお客様をお迎えしています。禅寺としての枯淡な風情を大切に、お話がスムーズにできるような工夫です。職員がお庭で茶花を切って来てテーブルの上に飾った水鉢がなんとも清々しく加えて涼しさを演出していました。

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時を同じくして福井より木下様が訪ねて来られ、久しぶりの対面となりました。木下様は大安禅寺で長くお世話になった職員でも有り、お茶を頂きながら懐かしく歓談したものでした。和尚にとっては福井からわざわざ訪ねて下さる縁者皆様との会話は本当に嬉しいものです。誠に有り難うございました。午後からのお客様は、これから始まろうとしている「寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事」施工会社の社長様はじめ関係者の方々でしたが、金沢に来て6年、地元の方々との交流も次第に広がりを見せて来ています。

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本日は誠にありがとうございました

7月はお盆月でも有るので、祖先の霊供養を懇ろに弔いたいと思っています。7月10日には卑山・盂蘭盆会施餓鬼法要を修行予定となっていますが、檀信徒の皆様には是非お参り頂きたいと願っています。「報恩謝徳」の心をもって霊苑改葬工事が無事に遂行できることを念じて参りたいと意を強くしています。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より

第1044話

2016-06-27

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大安禅寺の沙羅双樹

最近の風潮として物事の判断を「是か非か」で決める傾向が有りますが、大切な案件の決め事ではやはり十分に論議をしてかつ十二分に人々に説明を尽くす事が重要かと思います。説明が不十分なままの採決は時として思わぬ方向に向かってしまいかねないからです。多数決で決める時は尚更です。「急いては事を仕損じる」だと思います。日々起きてくる出来事は何事も他人事とは思わずに自分の事として捉えなければなりません。寳勝寺の今回の霊苑事業も慎重に論議を尽くしながら進めています。

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片岡正明先生とともに

さて花菖蒲祭も無事に円成して、今日は後片づけの一日となりましたが、お祭りの余韻が残る中での作業はなんとも不思議な感覚に襲われるものです。昨日までの賑わいとは打って変わって堂内も境内も元の落ち着きを取り戻し、静寂の中に有りました。人気のないもったいない程の空間が心に安らぎをもたらしてくれます。両親の御霊にお参りした後、一路金沢に向かいました。車を運転しながら心から無事円成出来たことに感謝したものです。一か月に渡った大安禅寺花菖蒲祭、今年もまた多くの方々とのご法縁を頂いたお祭りとなったようです。友峰和尚より

IMG_7843佐藤さん、須貝さんと懇親会 / 金沢にて

 

第1043話

2016-06-26

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文房流晴心会 野口支部  野口美智子先生、黒川芳江先生とともに

千秋楽の本日は午前中は雨でしたが午後からは梅雨晴れとなり、お祭りの名残を惜しむかのようにアジサイの花が色を際立たせていました。朝一番に野口美智子先生と黒川芳江先生が最後の生け花直しに来られ、妻と共に御一緒にお茶を頂きました。今年で33回目を迎えた「花菖蒲祭」でしたが、今から35年前、稲田に花菖蒲の苗を植えた時のことを思い出します。政府の政策で卑山の田んぼも減反を強いられ、先代が60年に渡って耕してきた稲田をやめる決断をしたわけですが、その転作として花菖蒲を選択しました。今では、大安禅寺は「花菖蒲の寺」として多くの方に知られるようになっています。

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裏千家 田野弘吉様、田野宗冨先生 と 皆様とともに

和尚も子供の頃から父と共に稲田を手伝ってきただけに、減反後の農地利用方法には色々と思案したものでした。今になって思えば当時「花菖蒲」を選択したことが大変良かったと思っています。参詣者方々の笑顔を見ているだけでも嬉しい限りです。間もなく7月「文月」を迎えますが、お盆月でも有りますのでしっかりと御先祖の御霊の御供養に専念して参りたいと思います。「無事是貴人(ぶじこれきにん)」の禅語の如く、この1か月間、スタッフ一同の協力のもと「無事」に千秋楽を迎えることが出来ました事に深く感謝を致したいと思います。またご支援を賜りましたスポンサーの皆様、関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。本当に有り難うございました。友峰和尚より

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渓仙舎にて

夏至を過ぎ。

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DSC08882 (500x361)夏の空です! / 寳勝寺の中庭から承証寺さまの屋根を臨む

爽やかな初夏の一日となりました。寺内は肌寒いほどの冷風がそよぎ、寺カフェのお客様ものんびりとくつろいでおられます。お席のあちこちから、御家族の話や旅行中の話や、はたまた英国EU離脱について討論する声などなど、さまざまな会話が聴こえてきます。なんと平和な時間なのだろうと感動するほど穏やかです。

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ノウゼンカズラが咲き始めました。 

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アガパンサス 初夏の涼やかな青紫色

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式台玄関にて 新しいお花を育て始めています。 こちらは赤色、サンパラソルと鶏頭です。

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境内の周辺にひっそりと咲くカタバミ。どこにでも咲いている花ですが、寳勝寺にとって縁の深い植物ではないかと思われます。

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御内陣に並ぶ、片喰(かたばみ)紋の御位牌

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こちらも片喰紋です。

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 こちらは「オキザリス」。大安禅寺の奥様のお庭から寳勝寺へ株分けされたお花です。よく似ているのでカタバミと同じ種類だと思っていたところ、カタバミのことを英語で「オキザリス」というようです。まさにカタバミでした。今日は本当に涼しい一日でしたが、花々が夏の到来を告げてくれています。 

第1042話

2016-06-25

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一宮市の奥村様より、手作りのお野菜を頂きました。

第33回花菖蒲祭も明日が千秋楽となりました。北陸地方は梅雨入り宣言がなされていますが、昨夜からの雨がお祭りの名残を惜しむかのようにお花を濡らしていました。本日は、滋賀県彦根市で開催された臨済宗妙心寺派・滋賀北陸教区の花園役員会に出席しましたが、このところ会合が続いていた為、昨晩は彦根市内のホテルに一泊して休養しました。国宝の彦根城を正面にした彦根キャッスルホテルはリゾートタイプのホテルで、以前にも宿泊したことがありますが今回もまたゆっくりとくつろぐことが出来ました。気分を一新して会議に臨みましたが、滋賀北陸教区発展の為の重要な会議で全ての役員が改選となりました。新しく就任された皆様への役職内容の説明とお願いの場となり、和やかな雰囲気のなか無事終了しました。一路福井に戻ったわけですが、山門をくぐる時の気分は最高で、別世界に入ったようなとても嬉しい気持ちになったものでした。いよいよ明日が最終日ですが、毎回、何とも寂しく切ない気持ちになるものです。一所懸命に整備して来た園内にもどこか安堵感が漂っているようにも感じました。開催期間中には本当に多くの方々にご来山頂きました事、心より厚く御礼申し上げます。明日は和尚も終日お寺に居りますので、皆様是非ご来山ください。お待ちしております。友峰和尚より

第1041話

2016-06-24

「申年は荒れる!」との昔からの言い伝えを今年ほど実感する年は有りません。連日伝えられる国内外のニュースには驚くばかりです。こういった年にはどのような心構えが必要かと申せば「泰然自若」として慌てず驚かずの心境が一番なのでしょうが、どっこいそんな簡単では有りません。今年も一年の半分を過ぎようとしていますが、今後も予断は許されない状況が想像されます。そんな年回りですから和尚も又、その事をわきまえながら日々を慎重に石橋を叩いて渡るが如く過ごさねばと思っています。されども心の中はいつもの年より「ざわざわ」としている感が有ります。ご用心!ご用心!の毎日です。さて今日は早朝より久しぶりに妻が管理している薔薇園に出向きましたが、あたり一面に薔薇の花の甘い香りが漂い、雨上がりの風情をより一層清々しく感じさせてくれました。紫陽花も今が見頃で、こちらもまた玉露がキラキラとして見事でした。世の中の出来事の何もかもを忘れ去る一瞬でした。東屋に身体を横たえて大の字になって、しばし時間を忘れて園内の風景を眺めていました。妻が薔薇の枝を剪定する音が心地よく響いていました。自然っていいですね!

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文房流晴心会・野口翆智社中の皆様による生け花 / 大安禅寺 枯木堂

 

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愈好亭にて

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お寺の中のあちこちには、文房流晴心会・野口翠智社中の皆様による生け花が和尚に語り掛けるようにそよめいていました。「和尚さん、お帰りなさい!」 そんな言葉が微かに聞こえて来たようにも思いました。野口先生と社中の方との一服のお茶が、忘れかけていたゆとりの世界に誘ってくれたような感覚でした。いつも本当にお世話になります。社中の皆様、有り難うございました。間もなく花菖蒲祭も千秋楽を迎えようとしています。友峰和尚より

第1040話

2016-06-23

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本日の「楽く楽く法話」のようす

「一に掃除、二に笑顔、三四元気に、おかげさま」、この言葉を和尚はこれまでどれくらい法話の中で発して来たでしょうか? もう数え切れないほどお話ししてきました。「御釈迦様がお悟りになられた真理とは一体何ですか?」と問われたら即座に「掃除です。」と言い切れるほど大切な言葉だと思います。

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今日の「楽く楽く法話」でも日々の掃除の大切さをお話ししましたが、「分かっちゃいるけど日々出来ね~」のが掃除でも有ります。いちど汚くなると整理整頓にはなかなか時間が掛かりますから、即掃除が求められて行きます。「一に掃除、二に笑顔、三四元気に、おかげさま」この言葉は人間の行動の全てに通じるもので、日常生活の全てにおいて掃除に徹底出来ますと実に気分は爽快となって行くものです。要するに「心の中に何にも思わない」状況を作り出す方法でも有ります。

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「2時はドキドキ」出演中のようす

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「仏法に多子なし(ぶっぽうにたしなし)」の臨済義玄禅師が黄檗機運禅師との禅問答から思わず発したこの言葉の中にも「掃除」がイメージされます。この問答の詳細はインターネットで検索して頂きたいのですが、「自分のこころの外に何か尊い物でも有るかのように思っている間は迷いである」と言うのです。「掃えども 風が持てくる 落ち葉かな」だと思います。大安禅寺のような広大な境内地を日々掃除するのは至難の業です。されど掃除です! 和尚に於いては掃除以外に悟るものなど有りません。一日が清々しく感じるのもきっと掃除が徹底出来ているからだと思っています。お掃除お掃除ほいさっさ、あっち拭く拭くほいさっさ!こっち拭く拭くほいさっさ、お猿の籠やがほいさっさ! で一日を楽しく過ごしましょうね。友峰和尚より

第1039話

2016-06-22

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一日の過ごし方は皆様それぞれに色々あると思いますが、これとて年齢によって随分と違うものです。共通点と言えば、時間を無駄にしないという事でしょうか? 年齢も70歳近くになるとますます時間が惜しくなるもので、一刻として無駄には出来ません。さりとて時間を一体何に使おうかと考えますと、はたと困ってしまうのも事実です。二度無い人生ですからギリギリいっぱい日々有効に使い切っていきたいと念願するばかりの毎日です。就寝時刻になると決まって今日はこれで良かったのかと自責の念にかられてしまいます。嗚呼!和尚も歳をとったなあ!と自覚する始末。最近になって思うことが有るのですが、長年ご厚誼を頂いている方々のリアクションが急速に鈍化している現実です。勿論の事、自分もそのように思われているのかも知れません。「人の振り見て我が振り直せ」とはこの歳になってからの格言だったと納得しています。

DSC08843 (500x375)本日の「寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事会議」のようす

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さて今日は再び会議に集中した一日でしたが、脳トレーニングを兼ねての実務となっています。考える力が希薄になって行くなかでの踏ん張りです。頑張りましょう!頑張りましょう! 返す返すに皆様方の温かい支えが有っての今日の日です。本当に本当に有り難うございます。感謝申し上げております。感謝!感謝! 友峰和尚より

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