4月, 2016年

第969話

2016-04-13

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気温のアップダウンの激しい昨今ですが、今日は午前中から暖かくて強い風が吹き荒れる中、寳勝寺霊苑各家先祖墳墓お精抜きの記録写真撮りをしました。先般、全ての墳墓のお精抜き諷経を終了していますが、記録として残しておくため再び一基ずつお経を唱えながら写真撮影をしました。まもなく始まる改葬工事を前にして、祖先の御霊にご挨拶申し上げながらの作業でも有ります。

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日差しが強く、網代笠を被ってお経を上げました。

毎日のように不穏なニュースが伝えられていますが、最も大切な祖先の恩を思う「報恩」の精神が薄れて行く感のある中での卑山墳墓改葬工事です。なんとしてもこの事業の大成を和尚は願っているところです。

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住職の法務の役割は各寺院によって異なりますが、近年では世の中の移り変わりとともに僧侶にも大きな期待が寄せられつつあるようです。金沢市役所・歴史建造物整備課様より、先般、東京の文化庁で開催されたシンポジウム「少子高齢化社会における宗教法人が参画した地域活性化の取組について」に参加した時のことをまとめた本を頂きましたが、和尚の活動も今はまだ初歩の段階に有り、今後はもっと地域の方々との交流を深める為の努力を続けて行きたいと思っています。全国に約七万ヶ寺ある寺院の僧侶達に布教活動のアイデアが求められているわけですが、それぞれの寺院の活動が人々の安心な社会形成につながって行くことを念じています。さて、北陸新幹線開業から一年と一ヶ月の今日、乗車数が一千万人を突破したそうです。想定日より早い達成だったとか。金沢は益々人気の観光都市となりつつあるようです。友峰和尚より

第968話

2016-04-12

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今日は地元のHAB北陸朝日放送の新番組「2時はドキドキ」にコメンテーターとして出演しました。6月までの火曜日と木曜日、時間の許す範囲で今後も出演する予定ですので、時間が有りましたら是非ご覧頂きたく思います。因みに次回は4月19日火曜日、午後2時からの生放送出演です。今日の番組内容は「漢方薬」を中心とした健康についての話題でしたが、曜日ごとに取り上げるテーマも変わるのでこれからの出番を楽しみにしています。寳勝寺での布教活動の方法として、寺カフェのお客様との交流や「楽く楽く法話」を通しての県内外の観光客皆様との交流、そして今日は地元メディアを通しての初めての試みとなったわけですが、一人でも多くの方々とのふれあいを願っています。今回は番組ディレクター・北村真美様とのご縁でしたが、牧野キャスターはじめスタッフ皆様の温かい「おもてなし」に感謝申し上げます。

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今日の番組の中で思いましたが、「漢方薬」と言えば禅寺の日常生活と深くかかわっている事を実感したものでした。「抹茶」や「ほうじ茶」なども見方を変えれば漢方薬的存在ですし、法要で使用する焼香用の真南蛮(まなばん)や沈香、丁子(ちょうじ)、桂皮(ケイヒ)などは「薬湯」として昔は大変珍重され、その効能として鎮痛・健胃・滋養など、修行には欠かせない漢方薬として用いられたと聞いています。番組に出演しながら色々な話題に接し学んでいきたいものです。友峰和尚より

第967話

2016-04-11

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毎年六月に開催される大安禅寺「花菖蒲祭」にこの三十年間お茶席を担当して下さっている田野宗冨先生ご夫妻が寳勝寺を訪ねて下さいました。週明けとあって寺内にはゆっくりとした時間が流れていましたが、昨日とは一変して今日は寒い一日となりました。人間はかくも気温の変化に左右されるものかとしみじみ感じた日でも有ります。昨日との気温差が10度近くありましたから、暖かい日のように身体が軽快に反応しないのも無理からぬ話です。思えば和尚が二十一歳の四月に、小雪の舞う中を西宮市・海清寺専門道場の玄関階段に頭を伏せて入門を請うた時の事を思い出していました。あれから約五十年の時が経過したわけですが、気候は当時とそんなに違わないのに、身体と気力の減退には驚くばかりです。御来寺下さった田野先生ご夫妻とのお付き合いも三十年以上になります。今日は昔々の思い出も交えての楽しい話題に花が咲いたものでした。「光陰矢の如し 時人を待たず」本当にその通りですね。時間ほど大切なものは有りませんが、その限りある時間を無駄の無いように使って行きたいと願うばかりです。

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さて、今日も外国からのお客様が寺カフェに来ていましたが、和尚の英会話もさっぱりで努力不足の極みです。外国の方とも「ええ会話」が出来るように頑張らねばと猛省いたしました。友峰和尚より

第966話

2016-04-10

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皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 最近のニュースの中での気になる話ですが、近年、本を読む力が全体的に弱まってきているとか。成る程!和尚の日々のブログを読まれている方からは「和尚、長いからもっと短くしてくれ!」なんて注文を頂くことがありますが、どうか頑張って「辛抱」して読んで頂きたいと思っています。和尚も短い文章にすることを心掛けていますが、短くなればなるほど短歌や俳句のように、鑑賞される方の高度なセンスが求められていく為、一番皆様に苦しむことなく読んで頂けるよう工夫しています。日々読んでいるうちに「内観力(自分の心を見つめる力)」が高められこれがひいては「認知症防止」の効果を高める事必定ですぞ。また毎日の生活の中で「無心の働き」をテーマにブログを書き続けています。人生の色々な場面に遭遇した時、どのような心で対応するとお互いにスムーズに事が運んでいくかですが、結局は禅の公案(問答)の中に「無心の心を持ち来たれ!」というのが有りますように、「無心の工夫」に尽きると思います。所謂、ちょっとした心の工夫が自分を幸せに導いてくれるということでしょうか。

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「風光 日々新たなり」

さて、今日は日曜日。日頃お世話になっている方々への感謝の日でもあります。皆様に和尚の感謝の気持ちが届く事を願ってやみません。 間もなく今は亡き母の命日を迎えようとしています。友峰和尚より

第965話

2016-04-09

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2020年東京オリンピックの最終エンブレム5案が発表されましたが、どのデザインも素晴らしい出来栄えで甲乙付け難しと言ったところでしょうか。発表されたような素晴らしいエンブレムが全国の多くの方々から応募され、愈々ひとつに絞られると言いますから誠に残念です。競技は色々と有るわけですから、全てのマークをどこかで使用して欲しいと思いますね。

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リオ五輪代表選考会を兼ねた水泳・日本選手権で惜しくも代表枠を逃した北島康介選手も何らかの役どころで、日本代表としてリオ五輪に招待してあげて頂きたいものだと切に思います。この度の、五大会連続出場を願っての北島選手のチャレンジは立派としか言いようが有りません。33歳という年齢での肉体的にも厳しい挑戦だったが故に、競泳に臨む彼の言葉は「やるしかない!」という一言でした。競技後に引退を発表されたわけですが、和尚も体育会系だった一人として称賛の拍手を送りたいと思います。スポーツはいわば自己の体力との戦いでも有ります。最後の最後まで全力投球で戦った北島康介選手、本当にご苦労様でした。

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暖かい穏やかな天気の中、観光旅行者が行き交う土曜日の寳勝寺門前ですが、道行く人それぞれが色々な人生を歩んでいるに違いありません。「喜怒哀楽」に翻弄されていく人々の人生ですが、やはり「無事」が一番のようですね。友峰和尚より

第964話

2016-04-08

昨日は終日強風が吹き荒れ、満開となった犀川沿いの桜が「桜吹雪」となって散っていきましたが、今日は一変して穏やかなお天気となりました。4月8日は御釈迦様のお誕生日。朝一番に甘茶をお供えして「降誕会(ごうたんえ)」を営みました。

DSC07633 (375x500)寳勝寺に祀られている御誕生佛

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甘茶を注ぎ、お祝いしました。

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午後からは寳勝寺ふれあいパーク霊苑改葬工事の関係者による打ち合わせが有りましたが、御釈迦様の法力の御加護を頂きスムーズに話し合いが行われました。愈々工事が始まろうとしている今、つくづく、人とのご縁の不可思議さを感じたものでした。穏やかなニュースが少なくなっている昨今、我が寳勝寺に於いて今日のような会議は今年のトップニュースとなる出来事でした。

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御釈迦様が誕生された時、右手で天を指し左手で地を指し、七歩歩いて「天上天下唯我独尊」と言われたそうですが、この「独尊」の意味は、生きとし生けるすべての生命を指しているものと思われ、この世に命を頂く事の尊さを思うこの頃です。あまりにも限られた短い命をどのように活かして使っていくか、人々に問われ続けています。

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本来なら人生最後の家でも有る「お墓」の工事なのですが、和尚は喜びを以て進めているのも「現世」も「来世」も同じ心の中に有るからです。「一即一切(いっそくいっさい)」の理の中で御釈迦様のお誕生を心からお祝い申し上げた爽やかな一日となりました。「南無釈迦牟尼仏」友峰和尚より

第963話

2016-04-07

日本列島に春の嵐が吹き荒れた一日となりました。満開の桜も強風にあおられて一気に散っていきましたが、その模様から「花散し」という言葉で報道されていました。とにかく此のところ、予想のつかない気象状況が増えてきているように思います。

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午前中には京都・妙心寺僧堂より遠鉢(県外に托鉢に出る事)のため、三名の雲水さんが寳勝寺に立ち寄られました。いつ来られても、修行中の雲水さんには感動するものです。今でも草鞋掛けで、素足のままでの托鉢姿ですが、近年ではその姿を見ることも少なくなって来ています。

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昼食を共にした後は、迎えに来た新命副住職と一路、大安禅寺へと向かいました。雲水さんの帰った後の堂内には、清々しい読経の声が残っているかのようでした。若い修行僧からエネルギーをもらったようで本当に有り難い事でした。

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色んな場所で色んな方が頑張っていますが、一生懸命に頑張っている姿ほど美しいものは有りません。テレビでは、アメリカ大リーグ・ドジャースの前田健太投手が本塁打を含め大活躍したニュースが流れていました。日本のアスリートも近年では世界で活躍されるようになって来ています。明日は御釈迦様のお誕生日。卑山でも「降誕会(ごうたんえ)」が営まれますが、和尚も仏弟子の一人として甘茶でお祝いしたいと思います。友峰和尚より

第962話

2016-04-06

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福井市浜町にある料亭「香櫨園」別邸で、この十日まで野口翠智先生を始めとする御社中の皆様による「華展」が開かれており、そのお祝いのために訪ねました。写真の如くお部屋いっぱいに桜花爛漫、豪華に生けられておりました。皆様も時間が有りましたら是非お訪ねください。

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到着後、お煎茶を頂きましたが、その風味たるや仄かに香る桜花の匂いと口の中に広がっていく甘い茶味が絶妙にコラボして大満足のひと時を過ごすことが出来ました。昨日までの新入社員坐禅研修会の雰囲気とは全く別世界の空間ですが、いずれもが日本古来よりの伝統的文化の力を感じさせてくれる充実した時間でした。

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明日からは再び寳勝寺での法務活動に入ります。犀川沿いの満開となった桜花も散り始めましたが、何事も「諸行無常観」を以て前進したいと念じています。最近頻発する事件や事故や、はたまた災害や紛争などに対する所見を問われますが、大切なのはただ一つ、ひたすら「己事究明」に尽きるという事であろうと思います。人間一人を形成する細胞が六十兆個あるそうですから、日常あらゆる諸問題が自他に生じて来てもなんら不思議では無いのかも知れません。難題がいつ自分に生じても、丁寧に対処していく心構えが大切と思います。 思いやりの心さえあれば、向かうところ敵なしです。さて皆様、春風下、桜が舞い散るように潔く華麗な人生を歩んでいきたいものですね。何々?和尚はすでに加齢ですって? ごもっともごもっとも。友峰和尚より

第961話

2016-04-05

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花菖蒲園の草引きがシルバー人材センターのスタッフの皆さんによって今日から始まりました。六月に開催される「さん華まつり」に向けての準備がこれから進められて行きますが、今年は温暖化現象の影響からか苗の生育が例年より早く感じられます。

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このお祭りももう三十年以上続けられており、近年は新しく薔薇園も加わって紫陽花とともに三つの花が咲き競うのも間近に迫っています。和尚も今後は時間を見つけて園内の整備に入りますが、いつも子供の成長を見守るような心境でいます。

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寺内では昨日より引き続き新入社員の坐禅研修が行われており、こちらもまた日本の未来を担う大切な金の卵の皆さんですので、副住職による懇切丁寧な気合の入った指導が行われていました。今日で研修は終了しますが、「朝打三千 暮打八百!」 若者達には大いに頑張って頂きたいと念じています。

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境内には燦燦と太陽の光が降り注ぎ、苔むした庭がいっそう緑色を増してきました。極楽浄土とはまさしくこのような光景に違いないと感じ取ったものです。この時期は何もかもが一気に成長して行きますが、身も心も全くに爽快そのもので和尚も久しぶりに故郷の春を満喫しています。勿論のこと春風を受け桜花乱舞状態、言葉を失います。まもなくこの八日に降誕会(御釈迦様の生誕日)を迎えますが、大自然の営みが祝福の意を表しているかの如き感です。人生には皆、色々な節目が有るように和尚にとっても今年は大きな節目の年。「向上心」を失速させないようにしながら「頑張るねん(年)」にしたいと研修会に臨みつつ新たなファイトの念を抱いています。友峰和尚より

第960話

2016-04-04

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今日から大安禅寺では企業の新入職員坐禅研修会が始まっています。この後も数社の研修会が予定されていますが、新入社員にとっては緊張感の中での修練となっています。参加される皆さんは既に入社が決まっているわけですが、入社直後の禅寺に於ける宿泊坐禅研修だけに尚更のこと気持ちも張りつめた状況となっているようです。

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大安禅寺 樹齢三五〇年のしだれ桜

そもそも卑山のような悠久の歴史を有した環境下での研修の意義ですが、やはり一番のメリットは普段の社会的喧騒から離れ、静かに坐って自分の姿や心と対面できるところに有るかと思います。また、規則正しい生活リズムに自分を置くことで心のリラックスを得ることでしょうか。現代はストレス社会と言われ続けている中に有って、自己コントロールの難しさを多くの方が感じ取っている事と思います。社会人としての第一歩は「立志」に有ると思いますが、今の時代はそれ以前に、「自分とは一体何者なのか?」という、己を見極める時間が求められているように思います。早朝の読経や坐禅は値千金です!「人間は何が故に働くのか?」などという質問は消え失せてしまいます。坐禅研修の目的を問われるなら、その答えは「有り難し」「おかげさまです」、この二つの心をしっかり体得する事に尽きるかと思います。さて和尚も老骨に鞭打って若者と共に参加したいと思います。桜満開の大安禅寺! 鶯の鳴き声に祝福を受けながら頑張って参りましょう。友峰和尚より

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