11月, 2015年

第815話

2015-11-11

NHKの朝ドラ「あさが来た」が現在もなお高視聴率をキープしているとか。楽しい話題の少ない毎日の中で、明るく力強さを与えてくれるようなドラマの展開に和尚も努めて観るようにしていますが、今朝方はもうひとつ、日本国民をわくわくさせるニュースが流れました。国産初の小型ジェット機MRJの初飛行の様子がライブで全国のお茶の間に届けられ、和尚もフライト機の余りの美しさに感動を覚えました。

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今から約50年ほど前に、日本で初めて製造されたプロペラ式国産旅客機YS-11が大安禅寺の上空をかすめながら福井空港に着陸する姿を思い出します。2006年にYS-11型機は採算性の問題から運航を中止したそうです。今回の国産ジェット機は実に半世紀ぶりの製造と聞き少々驚きましたが、世界をリードする工業国日本の誇りを感じます。MRJフライトの様子はまるで丹頂が舞うような美しい姿でほれぼれしたものです。最近よく言われる「国家の品格」ですが、一国民としてやはり国家のプライドを感じさせてくれた瞬間でも有りました。いつの時代でも「自信と誇り」が日本人精神の根底で有る事を感じ取った嬉しいニュースでした。友峰和尚より

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第814話

2015-11-10

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福井県越前市に「ねこ寺」として有名な御誕生寺が今人気を集めています。このお寺は元永平寺管長・板橋興宗老師が新しく建立された曹洞宗の禅寺ですが、老師の慈悲で多くの猫がお寺で飼われています。近年のペットブームも手伝ってお寺には県内外から多くの信者さんがお参りに来られ、今や全国にその名が知られています。猫の世話をするのは修行僧の雲水さんだそうですが、その雲水さんも猫ちゃん好きの方が多いそうです。そのうちに「にゃんにゃん寺」と言われるようになるかもしれませんね。そういえば京都には「鈴虫寺」が有りますし、やはり家族動物達は無条件に人々の心を和ませてくれるようです。ねこ寺が有るなら犬寺が有ってもよさそうなものですが、今のところそのような情報は聞いていません。そのうちにきっと「わんわん寺」が現れるかも知れませんよ。犬は激しく吠えるため近所迷惑になるという理由から敬遠されているのでしょうか?

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大安禅寺はと言えば今や「イノシシ寺」寸前で、ウリボーを伴った大きなイノシシが平然と真昼間から境内を散策しています。それに加え、まったく困ったことにイノシシのみならず狸、ハクビシンにアライグマ、鹿までが現れる始末。そのうち「大安禅寺自然動物園」になってしまいそうな勢いです。喜んでいいのか悲しむべきか!動物達との共存を思うのですが、悪さをしないでほしいと毎日祈るばかりです。友峰和尚より

yjimageTRCXZWJY yjimageU6HCBT9R yjimageEA2OPQT8    タヌキ、ハクビシン、鹿・・・

第813話

2015-11-09

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越前ガニがこの7日に解禁となりましたが、今年は例年にない高値を呼んでいるようです。と言いますのも今、金沢が北陸新幹線開業に伴う観光客増加が続いており、その影響からか越前ズワイガニが大変人気で品薄状態とか。そんな事「あるんかに?」って言って見ても時期が時期だけに仕方がない事かも知れません。やはりこの時期、北陸の人気の食べ物と言えば「ズワイガニ!!」。漁師さんの一番の稼ぎ商品でも有る越前のブランド品「越前ガニ」が、需要の多い加賀温泉郷や和倉温泉また金沢市内の料亭やホテルへと流れていくのだそうです。我々一般市民にとっては、今年は地元産カニとは無縁になりそうな気配です。秋の味覚は他にも沢山沢山ありますから、そちらの方に目を向けて行きたいと思います。和尚も最近、金沢での自炊が多くなって来た為、マーケットに食材の買い物に出かけるようになりましたが、和尚の大好きな色々な茸が多いのに驚きました。これらは天然物でなく温室栽培だそうですが、それでも嬉しい悲鳴を上げています。子供の頃、大安禅寺の裏山に松茸を始め自然の茸が沢山生えていて、よく父親が料理して食べさせてくれた事を思い出します。とても美味しかったことを覚えていますから、ついつい色々な茸を買い求めて料理しています。加賀野菜も豊富で料理が楽しくなってしまいます。 新鮮な食材の揃う金沢市、カニはなくとも加賀野菜はい加賀? 今が旬のようです。友峰和尚より

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第812話

2015-11-08

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降りしきる雨  式台玄関のさるすべり /  寳勝寺にて

中国の詩人・杜牧の詩の一節「深秋簾幕千家雨 落日楼台一笛風」(しんしゅうれんばくせんけのあめ らくじつろうだいいってきのかぜ)です。この時期の詩ですが、中国の昔、秋雨の日は一様に各家が簾をおろし、夕刻になると楼台から風に乗って笛の音が聞こえてくる様子ですが、実に深まりゆく秋の景色そのままに詩を詠んでいます。

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一宮市・奥村様より、箱書のご依頼を頂いた作品 / 「空」

雨は無心に降りそそぎ、風も又無心に吹き渡り笛の音すら雨と風に溶け込むように無心な音色を響かせているという、実に絶妙な心境が伝わって来るようです。四季の有る日本での秋の風情は、否が応でも心を響かせてくれるものです。今日は朝からそのような秋雨と時折吹いて来る秋風の中を、寺カフェ利用のお客様がこの季節を楽しむかのように普段よりはゆっくりと過ごされていました。四季の変化と共に、観光地の風情も随分と違うものです。

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金沢市内の兼六園なども、今では雪国独特の庭木の雪づりが一段と庭の美しさを醸し出しています。四季の移り変わりの美しい日本、この詩もきっと、中国五千年の悠久の歴史の中での心の安心(あんじん)を見事に表わした和尚の大好きな一節です。友峰和尚より

第811話

2015-11-07

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寶勝寺の志納所に、参拝者向けの新しい小物が本日登場しました。ロゴネームは「PECORA MOCORA(ペコラモコラ)」で、若い女性向きの小物商品です。写真の如くに可愛いものばかりで、なかには携帯ストラップもあり、観光拝観者に人気を呼びそうです。

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どれもが手作りで心のこもった作品ばかりですから、皆様も卑山に来られた際には是非お手にとってご覧になってください。最近では、主婦層の製作したアイデア商品がインターネットで多数販売されていますが、今やネット社会ですから大いに独創的な自己流の作品を販売してみるのも面白いですね。日々を生きる活力の源になるかと思いますので、皆様も是非チャレンジしてみて下さい。
DSC06198 (500x375)さて、寒暖の差の激しいこのところの日々ですが、和尚は部屋に籠って寺務整理に没頭した一日となりました。また、宗教書を紐解く時間も多くなってきました。やはり「読書の秋」でしょうか。誰がこの時季をそう名付けたかは知りませんが、なるほど、長時間読書をするにはうってつけの雰囲気が有りますから不思議です。昔は難解だった仏教書も、今では手に取るように理解できます。年の功なんでしょうかね? 分かってみれば日常底のことばかり、何事も「有るがまま」が一番の生き方のようですね。友峰和尚より

第810話

2015-11-06

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二十世紀を代表する画家パブロ・ピカソの絵「アルジェの女たち」がニューヨークのオークションで史上最高の215億円で落札されたニュースが流れましたが、気の遠くなるような価格にいったい誰が買い求めたのかが気になるところでした。テレビの人気番組「なんでも鑑定団」にも一般の方から色々な物が鑑定に出品されていますが、なかには偽物も多く、それだけに番組が一層人気を博しています。和尚もパリのオルセー美術館でピカソの絵を直に見たことが有りますが、なるほど独創的で迫力のある、誰にも真似の出来ない素晴らしい作品でした。要するに値段の付けようの無い程の完成度の高い魅力ある作品で、恐らく215億円という値段で落札されたとしても、作品を入手したいと思う人にとってはもはや値段を度外視した作品価値を感じているのだろうと想像します。ときどき色々な物の値段について真剣に考え込むことが有りますが、車の値段や家屋の値段、宝石の値段や家具の値段等、いったい何を基準に決められるのだろうという素朴な気持ちです。人間、死して後に生前より存在価値を増していく偉人方々の恩徳に敬意を表したいと思います。やはり人間は素晴らしい生き物ですね。負けずに努力しましょう! 友峰和尚より

第809話

2015-11-05

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終日、爽やかな天気に恵まれた一日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか?「天気と元気」は比例しているかのようにも思われます。昨日に引き続いて墓石業者さんを交えての墓石調査が行われました。

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最近のニュースは、少子高齢化社会の中で一気に噴出している様々な問題を取り上げていますが、とりわけ祖先の墳墓管理に関するものが増えているように思います。墓離れに、墓じまい、散骨、樹木葬などを取り上げたニュースですが、どの問題にも早急な対応が迫られているようです。

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㈱トムソーヤ 高田様との打ち合わせ

各寺院の取り組み方として現在、墓じまいに対する「永代供養墓」が提案されていますが、問題解決の為には当事者との丁寧な対応が大切です。さて皆様は、御先祖の墳墓管理に対してどの様に考えておられるでしょうか? 時代の変遷とともに「物」に対する価値観も変化して行きますが、祖先の恩を思う気持ちだけは忘れないで生きて行きたいものです。

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檀信徒様に、御先祖墳墓調査のご報告をしているところ

午前中には檀家様の月参りに行きましたが、霊供養の大切さを感得するとともに心の安らぎを感じます。この月参りさえも最近は減少傾向にありますから、どうやら世代交代の中での親から子への申し送りが今後の課題となりそうです。「親の背中を見て子は育つ」、そんな時代は遠い昔の話のようです。やはり今の時代は、家の大切な事はきちんと時間をかけて、丁寧に子供に教えて行く事が親の責務なのかも知れませんね。友峰和尚より

第808話

2015-11-04

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墓石すべての法名と御家名を調査し、名札を付けています

今月18日に開催される「寶勝寺墓地改葬工事全体会議」を前に、今日も最終的な墓地調査が行われています。調査が進むにつれ墓地の全体像が良く見えて来て、約四百年に渡る卑山の歴史を感じています。日本国の新しい時代の幕開けとなった明治政府を迎えると同時に、此れまで幕府を支えて来た武士の時代の終わりでも有りました。卑山のお檀家様はその大半が武士で有った為、時代の移り変わりとともにその役目を終え今日に至っています。当然の事乍ら役目を終えた武士たちは全国に仕事場を求め離散して行くわけですから、先祖墳墓が荒廃して行くのもやむを得ない事だったのかも知れません。

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私が仏縁を得て寶勝寺に入り5年が経ちましたが、寶勝寺本堂の復興と共に、今回は霊園改葬工事に全力を注ぎ檀信徒の祖霊を奉じる寶勝寺永代供養墓「寶勝院顕彰碑」を建立したいと念じています。さて、祖先の霊に守られながらの毎日ですが、今後は法務活動にも力を入れて行きたいと思います。まずは坐禅会や写経会そして読経会なども視野に入れながら、お寺とのご縁を持って頂くように開催して行きたいと思っています。街なかの寶勝寺ですから、大いにお寺を利用して頂きたいと願っています。友峰和尚より

第807話

2015-11-03

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大安禅寺 境内の紅葉

お手紙巻頭の季語が「晩秋」となっています。昔の暦では11月のことを「霜月」と言いますから、いつ霰(あられ)が降って来てもおかしくない時期を迎えていますが、ニュースでは毎日全国の有名な紅葉地の映像が流れ、お茶間皆様の眼を和ませてくれているようです。大安禅寺を取り巻く樹齢二百年ほどの紅葉の木の葉っぱも少しづつ色付きはじめ、全山を真っ赤に染めるのも もうまもなくです。この、大安禅寺でのゆったりとした毎日ですが、生活環境の違いが人間の心に及ぼす様々な影響を実感するものです。現代社会は「ストレス社会」と言われて久しいわけですが、ストレスを解消させる方法として、ときどき生活環境を変化させる事が大切なのかも知れませんね。

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最も効果が有るのはアウトドアでのアクションだと思います。この時期でしたら、トレッキングやサイクリングまた旅行にスポーツなどですが、やはり思い切って環境を変化させることによって気分も一新できるというものです。今、70代世代が「元気世代」と言われているのも、その要因は「自己コントロール」の出来る世代だからなのかも知れません。日常の食生活から健康維持の為の運動まで、実に見事に自己管理されている70代世代を大いに見習いたいものです。友峰和尚より

第806話

2015-11-02

人間は古来より108の煩悩を有すると言われていますが、どうしてどうしてそんなぐらいの数ではとても足らない程の色々な感情が自分の心を悩ますものです。大まかに言えば「喜怒哀楽」の感情が誘因となって複雑な思いへと発展して行くのでしょうが、文明が発展すればするほど煩悩も増えていくような気さえします。そんな事を思いつつも、今は亡き師匠の「へこたれるな!」の言葉を思い出しながら煩悩を菩提に変えていく為の努力を試みる毎日です。さて、その努力の一つが墨蹟ですが、今日は和尚の作った言葉「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」を書きました。書きながら気持ちが落ち着いていくのを感じました。

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書道には「臨書」と言って、故人の素晴らしい書の字体をまねて書く方法が有りますが、まねればまねる程難しくなっていくのはきっと、故人の精神の深さが伝わって来るからか知れませんね。最近になって、読経も同じことが言えると気づき始めました。お経を唱えれば唱える程、お釈迦様の教えに近づいていくような感覚を覚えます。「煩悩即菩提」とは、限りない煩悩こそが大きな安らぎへの道しるべであることを知る昨今です。友峰和尚より

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